「仕事を見つけたいけど、新しいところに住むのはちょっと不安…」と悩んでいる人もいるかもしれません。特に、一人暮らしをしたことがない人は、部屋探しって難しいですよね。でも大丈夫!障害者向けの仕事の中には、会社が住むところを用意してくれるところがあるんです。

会社が用意してくれる住まいは、たいてい会社から近いところにあります。そのため、「仕事とプライベートの時間がはっきり分けられないかも…」と心配する人もいるかもしれません。でも、一人暮らしできる部屋が用意されていることが多いので、ご安心ください。

今回は、そんな「住み込み」や「寮付き」の仕事について、詳しくお話ししていきます。

寮付きや住み込みの障害者雇用求人のメリット

新しい仕事に集中したいのに、部屋探しで悩んでしまう…」そんな経験はありませんか? 寮付きや住み込みの求人なら、面倒な部屋探しは一切不要! 入社してすぐに新しい仕事に取り組むことができます。

新しい仕事が決まったのに、部屋探しに時間が取られてしまい、仕事の準備が思うように進まない…。そんな経験をした方もいるかもしれません。特に、初めての一人暮らしとなると、部屋探しは大きな負担になりますよね。

会社によっては、いくつか部屋の候補を提案してくれるところもありますが、最終的に選ぶのは自分です。たくさんの部屋を見て回ったり、契約の手続きをしたり…部屋探しは思った以上に手間がかかります。

寮付きや住み込みの求人なら、こうした手間を省くことができるので、心置きなく新しい仕事に打ち込むことができます。

障害者雇用を選ぶべき理由

障害者が寮付き・住み込みの求人の仕事を探すとき、一般の求人よりも障害者向けの求人を選んだ方が良いことが多いです。

まず、障害者雇用の職場では、障害に対する理解や配慮がある場合が多く、例えば、バリアフリー設備が整っていたり、必要なサポートが受けられたりします。こうした配慮があることで、働くときの不安が減り、安心して仕事に集中できる環境が整います。大手企業の中には、障害者雇用を専門にした子会社(特例子会社)もあり、障害者が安心して働ける場を提供しています。

また、障害者雇用の求人には、職業訓練やカウンセリングなどの支援が充実しています。これによって、スキルアップや長く働き続けるためのサポートを受けられるので、より安定して働けるようになります。例えば、福祉事業としてA型作業所やB型作業所があり、ここでは障害に応じた訓練やサポートが受けられます。A型作業所では訓練を受けながら賃金を得られるほか、B型作業所では企業と同様の雇用契約が結ばれるためスキルを高めながら働くことができます。

さらに、障害者雇用の職場では、同僚や上司も障害について理解を深めているため、コミュニケーションが取りやすく、職場の人間関係も良好です。このようにして、障害を持つ方が安心して働ける環境が整えられています。

慣れない土地で生活を始めやすい

新しい土地での生活は、誰でも不安ですよね。特に、住み慣れた場所を離れて、全く知らない土地で生活するのは、とても勇気がいることです。

寮や住み込みの仕事は、便利な都市部よりも、自然豊かな地方や観光地にあることが多いようです。スーパーやコンビニも少なく、少し不便に感じることもあるかもしれません。

買い物や食事をする場所が少ないため、生活の準備が大変だと感じる人もいるでしょう。新しい仕事に集中したいのに、生活環境を整えることで疲れてしまうのは、とてももったいないですよね。

例えば以下はリゾートホテルの障害者雇用・正社員求人です。

この求人は、ホテルの仕事で、寮がついています。さらに、引っ越しの費用を助けてもらえるんです。職種は、調理、施設の保全(ほぜん)、事務、清掃など、いろいろなホテルの仕事があります。

この求人は、沖縄の離島にあるリゾートホテルで、障害者向けです。応募する人は、多くが本土から南国で働きたいと思っている障害者です。そのため、土地に慣れていない人が多く、寮や住み込みで働くことがほとんどです。

例えば、以下の写真は、私が家族と先日宿泊した和歌山県の海辺のリゾートホテルです。

寮付きや住み込みの障害者雇用求人の多くは、このように周りに海と山しかない環境のホテルで働くことになります。寮付きや住み込みの求人なら、転職が決まったらすぐに引っ越しの準備ができ、すぐに生活の基盤を整えられます。これにより、勤務開始まで余裕をもつことができます。

うつ病や精神障害を持つ人が、リゾート地の寮付きや住み込みの求人で転職し、症状をいやしながら働くことも可能です。ただ、山間や海辺の何もない勤務地を選ぶときは、寮や住み込みの求人で余裕をもって転職できるようにしましょう。

職場が近いので出勤がしやすい

転職が決まった後に新しい家を選ぶとき、通勤の便利さや方法を考えながら迷うことが多いです。また、山や海の近くにある観光地で働く場合、車が必要になることがあります。

しかし、寮付きや住み込みの求人なら、住む場所は会社のすぐそばや敷地内になります。これにより、新しい家について通勤方法を考えずに済みます。

例えば以下は、スキーリゾートホテルの予約代行会社の障害者雇用・正社員求人です。

この求人は、会社が運営しているホテルに住み込む仕事です。データ入力の簡単な仕事ですが、住み込みなので通勤時間がありません。また、ホテルの部屋は身体障害者の利用にも対応しているため、設備が整っています。このように、寮付きや住み込みの求人では、職場の敷地内に住むことが多いです。

普通は新しい家を選ぶとき、通勤方法を考えなければいけませんが、寮付きや住み込みの求人なら、その心配がいりません。ですから、一人暮らしや引っ越しに慣れていない障害者は、寮や住み込みができる求人を優先して選びましょう。

格安の家賃で住むことができる

一方で、都会から離れて地方や郊外の落ち着いた場所で働きながら、お金を貯めたいと考えている人は多いです。このとき、一番の問題になるのが家賃です。

会社から家賃補助が出ることもありますが、住む場所にこだわりがなければ、寮付きや住み込みの求人の方が住居費を安く抑えられます。これにより、貯金の目標を早く達成できるのです。これは、寮や住み込みの家賃が周囲の相場に比べて格段に安いからです。

例えば以下は、理容院の障害者雇用・正社員求人です。

この求人は住み込みの仕事で、家賃が3万円です。周りの相場より半分以下です。また、この求人では3食付きで4万5,000円なので、1食あたり500円です。まかない付きの求人は経済的で、食事の買い出しや自炊の手間が省けるため、メリットが大きいです。

寮や住み込みの求人は家賃の負担が少なく、生活に余裕ができます。引っ越しから仕事の開始まで忙しくなりがちですが、この求人のように食事まで付いていれば、落ち着いて仕事に取り組めます。

また、浮いたお金は貯金に回すことができるので、しっかりお金を貯めたい障害者は寮付きや住み込みの求人を選びましょう。

寮付き・住み込みの障害者雇用求人の特徴

障害者枠での寮付きや住み込みの求人には、いくつか特徴があります。主な特徴は次の通りです。

  • 福利厚生が充実している大企業の求人が多い
  • 大規模工場の作業員の求人が多く、工業団地がある地方都市の郊外が多い
  • 山間や海辺のリゾートホテルなどの求人が多い

これらの特徴は、転職する目的によってメリットにもデメリットにもなります。自分に合った求人を見つけるためには、個々の求人をよく見て判断することが大切です。そこで、次にこれらの求人の特徴を実際の求人で見ていきましょう。

寮付きは地方都市郊外にある工場の求人が多い

障害者雇用で寮付きの求人は、大企業が多いです。大企業では福利厚生が充実しており、寮もその一環として安く利用できる場合が多いです。

一方で、大企業の営業所や支店は都心にありますが、事業所や工場は地方都市の郊外にあることが多いです。このため、工場に配属された場合、都市部から車で通勤するのが不便なことがあります。

例えば以下は、九州の農村地帯にある工業団地の工場の様子です。

日本を代表する一流メーカーや台湾や韓国の優良メーカーが多数進出している工業団地ですが、立地は農村地帯です。ただ、こうした工場の寮は、大半が工場の直近にあります。

例えば以下は、大手工業製品部材メーカーの工場作業員の障害者雇用・正社員求人です。

この求人は工場作業員の仕事です。富山市の郊外にある臨海工業地帯にあります。この会社では、工場の隣に独身寮があります。

寮付きの求人は障害者枠であり、大企業の工場作業員の求人が多いです。工業団地の工場で働く場合、朝夕の通勤や退社の時間帯には渋滞がひどいです。しかし、工場の近くに住めば、渋滞に巻き込まれずに歩いて帰宅できるため、快適に過ごせるメリットがあります。

ただし、買い物をする時には街に出る必要があり、車を持っていることが必須となります。寮付きの障害者雇用の工場求人には、多くのメリットとデメリットがあることを考慮して求人を選びましょう。

住み込みや寮付きは観光・リゾート地のホテル・旅館求人が多い

このような住み込みや寮付きの求人は、観光地の旅館やホテルにも多いです。観光地やリゾート地が勤務地なので、前に話した工場求人と同じくらいか、それ以上に買い物に便利な場所から遠く離れた場所で暮らすことになります。

例えば以下は旅館の障害者雇用・正社員求人です。

スキー場に隣接する温泉旅館の求人です。なお、こうしたリゾート地の求人は、この求人のように料理人の募集が多いです。この求人の寮に関する記載は以下の通りです。

寮を建設中であることが記載されています。こうした観光地の旅館やホテルは、近くに賃貸アパートがないため、新しい家を見つけるのは難しいです。このため、転職で住む場所は寮や住み込みの求人が普通となります。

観光地の周りには、パチンコやスナックなどの娯楽施設が少ないため、お金を無駄遣いせずに済むメリットがあります。また、都市部から離れているため、無駄な人間関係に振り回されることもありません。食事は旅館やホテルのまかないが提供されるため、食事に困ることもありません。

このように旅館やホテルの寮付き・住み込みの求人には、大きな特徴があります。自然に囲まれた環境で仕事をしたい障害者や、貯金をしたい障害者には多くのメリットがあります。このため、障害者雇用では、観光地の寮付き・住み込みの求人を選ぶことをおすすめします。

寮の施設には障害への配慮がないことがある

寮付きや住み込みの求人にはメリットがたくさんありますが、注意点もあります。それは、寮の施設が障害者に対して配慮されていないことです。大企業の求人は、勤務先の施設には配慮がありますが、寮については配慮が少ないです。

身体障害者が寮付きの求人を選ぶとき、求人だけでは配慮があるかどうかわからないことが多いです。求人先の候補が上がるたびに、いちいち採用側に寮のことを確認するのは難しいです。そのため、最初から寮の居住をあきらめて求人を探さなければならない場合があります。

ただし、住み込みの求人では住む場所が職場の中にあることがあります。この場合、職場の施設が充実していれば、身体障害者でも問題なく暮らせます。

例えば以下は介護施設の障害者雇用・正社員求人です。

この求人は介護補助の仕事です。補助的な仕事なので、知的障害者でもできます。また、働く場所や住む場所が介護施設なので、エレベーターや手すり、スロープなどの設備が整っています。

このように、職場自体が高齢者など身体が不自由な人を対象とした施設であれば、どのような障害者でも問題なく生活できます。

こうした求人は少ないですが、身体障害者にとっては福祉施設関連の寮付きや住み込みの求人が適しています。介護福祉系で住み込み可能な求人を探してみましょう。

旅館・ホテルの求人には不規則な勤務が多い

寮付きや住み込みの求人で注意すべき点は、勤務が不規則なことです。これは旅館やホテルなど24時間営業の求人が多いためです。

宿泊施設の求人で多い調理の仕事では、朝食・夕食の準備や片付けがあります。また、調理職以外にも施設保安のための当直勤務もあります。このように、宿泊施設では定時勤務以外の仕事が多いのが普通です。

例えば以下は、前述の旅館の障害者雇用・正社員求人です。

勤務時間が定時のほか早朝~昼間、夕方~夜間となっています。宿泊施設の調理職では、こうした早朝や夜間などの勤務が普通です。

なお、以下は旅館の調理場の様子を撮影したものです。

旅館の求人では、このような調理場で働くことになります。

寮付きや住み込みの求人が多い観光地の旅館やホテルでは、勤務体制によっては生活のリズムが整えにくいことがあります。生活規律が大事な精神障害者は、避けたほうがいいです。

観光地の寮付きや住み込みの宿泊施設で働くことを考えている障害者は、生活が不規則になることを踏まえて求人を選びましょう。

まとめ

一人暮らしや引っ越しに慣れていない障害者や、観光地などの宿泊施設の仕事をしたい障害者には、寮付きや住み込みの求人がおすすめです。これは、知らない土地で面倒な不動産探しをしなくて済むからです。また、寮や住み込みなら住む場所が職場の近くなので、通勤が便利です。

寮は福利厚生の一部として運営されているため、周りの相場よりも安い家賃で住むことができます。

ただし、寮付きや住み込みの求人にはデメリットもあります。例えば、都市の郊外にある工場や観光地のホテルや旅館の求人が多く、買い物が不便になることです。

障害者雇用の寮付きや住み込みの求人には、それぞれ特徴があります。自分の障害や希望に合った求人を見極めて選ぶことが大切です。これを考慮して、就職・転職を成功させましょう。


障害者が就職・転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい障害への配慮や労働条件の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、障害者特有の事情説明や交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「障害に応じた求人情報が多いか、少ないか」「転職エージェントが障害の特性に理解があるか」「転職後のフォローが手厚いか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。