動物とふれあうことは、心を癒す効果があり、アニマルセラピーが精神の病気の治療に使われています。そのため、うつや精神の障害のある人たちにとって、人間関係で疲れやすい状況でも、動物とかかわる仕事は、就職や転職の際に大いに役立つことがあります。

ただし、動物と関わる仕事はさまざまで、仕事の内容もそれぞれ異なります。そのため、各求人の特徴を正しく理解していないと、成功することが難しいです。

ここで、障害者雇用で動物と関わる仕事について見ていきましょう。

動物関係の障害者雇用はペットショップと畜産求人

動物に関わる仕事で、障害のある人が働ける求人があります。その求人では、特別な資格や高い学歴は必要ありません。さらに、たくさんの知識や経験も求められないことが多いです。主な求人は、次の2つです。

犬や猫などの小動物を飼ったり、販売したり、毛の手入れをしたりするお店やトリマーのお仕事があります。また、牛や豚、鶏などを育てる畜産業のお仕事もあります。

ショップやトリマーの仕事では、主に小型動物、例えば犬や猫などの販売店でのお仕事が中心です。小動物を世話するため、特に大きな体力は必要ありません。

一方で、畜産業の仕事では、牧場や養鶏場などで大規模な施設で働くことが多いです。そのため、体力が必要なお仕事が多いです。

それぞれのお仕事には、以下で詳しく見ていきます。

犬・猫と触れ合うペットショップ・トリマー求人

多くの動物好きの障害者が自宅で犬や猫を飼っています。動物好きの障害者にとって、動物たちに囲まれて仕事をすることは、働く場所で癒しと安らぎを感じながら仕事ができる素晴らしい機会です。

動物と触れ合うことができる仕事のなかで、一番人気なのはペットショップやブリーダーの仕事です。また、犬や猫の毛を刈ったり、グルーミングするトリマーのスキルがあれば、そのスキルを活かして働くこともできます。

たとえば、以下はペットショップでの障害者雇用・正社員の求人の一例です。

犬や猫をお世話するお店で働きます。犬たちを飼う場所で、食事をあげたり、散歩に連れて行くお手伝いをします。また、犬や猫の販売や管理もお世話します。

ペットショップの仕事では、自分の家で飼っているペット以外にも、働く場所で動物たちと一緒に仕事ができます。

ただし、このようなペットショップの仕事は、アルバイトやパートの仕事が主で、正社員の仕事はあまりありません。

そのため、ペットショップの正社員の仕事を見つけるのは、通勤できる範囲だけではなかなか難しいこともあります。だからこそ、広い範囲で仕事を探す必要があります。

牧場・畜舎で働く酪農・畜産求人

一方で、動物と関わる仕事には酪農・養豚などの畜産業の作業員求人もあります。近年の肉ブームもあり、こうした正社員求人はペットショップに比べて多いです。

また、大型動物を相手とする仕事であるため、牧場や牛舎など大型の施設で動き回ります。このため体を動かす仕事が好きな障害者に適しています。

例えば以下は、牧場の障害者雇用・正社員求人です。

牧場で牛を育てたり、乳を搾ったり、子牛を生まれさせたりするお仕事をします。ただし、牛たちのスケジュールに合わせて働くので、早朝や夜遅くなることがよくあります。この仕事の働く時間は、以下の通りです。

勤務時間は、朝6時から午前10時までと、午後4時から夜8時までです。牛を飼育する仕事では、普通、朝と夕方が仕事の時間として考えられています。動物が病気やけがをした時など、急な仕事が起こることもあります。

ただし、この仕事では昼間の時間を有効に使うのが難しいので、通院が必要な障害者にとっては向いています。例えば、この写真は大分県の牧場ですが、そこでは障害者雇用が行われています。

酪農の仕事では、こんな場所でお仕事をすることになります。

大きな動物、たとえば牛などは、ケガをする危険があります。不注意に近づいたり、油断をすると、蹴られたり引っ張られたりすることがあります。こうした動物と仲良くするには、知識と経験が必要です。そのため、動物が好きでも、発達障害などで集中力が続かない人は、この仕事を慎重に考えたほうがいいです。

他にも、重たい道具を運んだり、飼料を運んだり、牛の食べ物であるトウモロコシなどを管理・育てている牧場もあります。農作業も行うので、体力が必要です。そのため、机で仕事をするのが苦手で、人との関わりよりも体を動かす仕事をしたい人に向いています。

このように、酪農や畜産の仕事は、定時で働くわけではなく、体力が必要です。でも、自然の中で動物と一緒に仕事ができるので、ストレスが少なく、正社員として働ける求人も多いです。だから、普通の体力がある障害を持つ人は、積極的に畜産の仕事を選ぶことができます。

集卵などの軽作業・定時勤務が多い養鶏場求人

障害者雇用には、畜産分野でも軽作業の仕事があります。それは、養鶏場での作業です。養鶏場の求人では、主に鶏舎での卵の集めなどを担当します。大きな動物ではなく、体力がそれほど必要ないのが特徴です。広い養鶏場での仕事であり、適度に体を動かすことが求められつつも、デスクワークや人間関係に悩まされることがない利点があります。

たとえば、以下は養鶏場での障害者雇用の正社員求人です。

養鶏場での卵を集めるお仕事があります。卵を集める作業は、鶏が卵を産んだ後に始まります。このお仕事の働く時間は、次の通りです。

養鶏場でのお仕事は、午前8時から午後5時までの定時で働くことが基本です。鶏が卵を産んだ後から作業が始まるので、早朝の勤務はありません。だから、牛や馬など大きな動物を飼育するような大変な作業もほとんどありませんし、危険な作業も少ないです。

養鶏場での仕事は、畜産業でもっとも定時で、体力をあまりいらないお仕事と言えます。だから、生活リズムを整えながら、体力にあまり負担をかけずに働きたい方には、養鶏場の障害者雇用求人がおすすめです。

障害者でも応募可能な一般求人で選択肢を広げる

動物と関わるお仕事は、障害のある方でもできる場所がありますが、その数はあまり多くありません。障害を持つ方は、適した場所や仕事が限られているので、就職や転職の際には条件に妥協せざるを得ません。障害者雇用だけでなく、障害のある方でも応募できる仕事を見つけることが大切です。

例えば以下のような、厩舎での障害者雇用の正社員求人などがあります。

厩舎で馬を飼育する求人です。希望すれば騎手育成のための指導を受けることもできます。この求人の特徴は、以下の通りです。

一般枠の求人ですが、障害を持つ方も応募できます。

こういった求人を出す企業は、通常の仕事でも障害者のことを理解していることが多く、働く時間や仕事の内容なども、障害者に合わせて考慮してくれることが期待できます。

動物に関わる仕事で、障害者向けの求人はそれほど多くないですが、正社員として働くためには、障害を持っていても通常の求人に応募し、理解と配慮のある企業を選ぶことが大切です。

動物に関わる障害者雇用求人には専門職も存在する

こうした動物に関わる仕事の中には、スキルや学歴が不要な求人が多くあります。そのため、障害を持っている方でもできる仕事が多いです。

ただし、学生時代から勉強に取り組んで、動物に関する高い知識や資格を持っている障害者もいます。こういった方々には、高い給与を得られる専門職や、知識や資格を活かせる仕事もあります。

たとえば、動物病院を経営する企業が募集している、障害者の方でも働ける獣医師の求人があります。

獣医師の資格を持つ障害者向けの仕事があります。この仕事は、犬や猫などの小動物の健康診断に関わるもので、外来診療だけでなく手術なども行います。また、動物の医療に関する幅広いスキルがあれば、夜間の診療なども行います。

給与については、法律で障害者であることを理由にして健常者よりも低くすることは禁止されています。つまり、障害者であるからといって、給与が低くなることはありません。

障害者雇用の動物に関わる仕事は、単なる軽作業だけでなく、獣医師のような専門職も含まれています。資格や経験があれば、それを活かして働くことができ、給与などの待遇も有利な求人を選んで、就職や転職を成功させることができます。

まとめ

動物に関わる仕事で、障害者の方に向けて求人がある中で、一番人気なのは、犬や猫を飼育・管理・販売するペットショップやトリマーの仕事です。ただし、ペットショップやトリマーの求人は、障害者向けの正社員の仕事があまり多くないです。そのため、広い範囲で仕事を見つけないと、選択肢が限られてしまいます。

一方で、畜産の求人は、ペットショップと比べて正社員の求人が多いです。また、特別な学歴や資格・スキルは必要ありません。

ただし、体力が必要な場合や、定時でない場合があるため、障害の特性を考慮して仕事を選ぶ必要があります。

動物と関わる仕事は、簡単な作業だけでなく、獣医師のような専門職や高いスキルが求められる仕事もあります。

障害者向けの動物に関わる仕事は、他の職種と比べて求人が少ない傾向がありますが、一般の仕事でも障害者が応募できる求人もあります。それぞれの求人の特徴を考えながら、自分の障害に合った仕事を見つけるために、検討を重ねてみましょう。


障害者が就職・転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい障害への配慮や労働条件の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、障害者特有の事情説明や交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「障害に応じた求人情報が多いか、少ないか」「転職エージェントが障害の特性に理解があるか」「転職後のフォローが手厚いか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。