ADHDの人は特性の一つは社交力に富み、エネルギッシュなことです。こうした人の中には、接客求人を目指す場合があります。ただADHDの人は過集中によるメリットとデメリット、注意散漫によるミスやトラブルなどの対策が必要となります。このため「ADHDの人は接客に向いていない」と思われがちです。

このとき、ADHDのデメリットをカバーするために必要な配慮のある求人は存在します。また、特性を活かすための正しい求人の選び方と注意すべき点もいくつかあります。

そこで以下では接客求人を目指すADHDの人が、就職・転職活動で成功するための求人の選び方をみていきます。

ADHDが接客に適している特性

ADHDは、注意欠陥・多動性障害の略称です。集中力や注意力が短い時間で切れやすく、行動の自己統制にも課題があるとされています。一方で、ADHDの人は一度決めたことに対しては、意欲的に取り組むことができます。ADHDの特徴は過集中(ハイパーフォーカス)だからです。

ADHDが接客に向いている特性は以下のようなものです。

  • 社交性や行動力がある
  • 積極性や創造性がある
  • 感受性が豊かである

こうした特性を活かせば、接客の求人の中でも忙しく動き回る仕事から、じっくり腰を据えてお客様と語らい提案する仕事まで幅広く活躍することができます。

そこで以下では、ADHDの人であっても接客に向いている特性を詳しくみていきます。

社交力や行動力がありエネルギッシュ

ADHDの人の中には活発でエネルギッシュな人がいます。こうした性格は、接客に向いている場合があります。接客に必須の社交力と行動力に活かされやすいからです。

例えば旅館従業員やホテルマン、小売店や飲食店従業員などであれば、忙しく動き回りながらも、お客様に心を込めて接客することが必要です。こうした特徴は、スピーディーに行動することが求められる接客業であれば有利に働くことがあります。

ただしADHDの症状によっては、集中力や計画性、時間管理などの課題があります。接客業に必要な正確性や注意深さが欠ける場合があるからです。また社交性についても、ADHDの症状によってはコミュニケーション能力や社交的な行動が困難な場合があります。

このため自己分析や周囲のフィードバックを考慮した上で、自己のスキルなどをよく見極めてから接客業の求人を選ぶようにしましょう。

柔軟な発想力がある

ADHDの人は多くの場合、発想力が豊かです。これは思考が多面的であり、異なる視点からアイデアを着想する傾向があるからです。

例えば接客で、だれよりもお客様に喜ばれるサービスを提供しようとする場面があります。このとき従来の思考にとらわれないやり方で、ライバルや他社に差をつけることができます。

特に接客では、お客様へのサービスの提供や問題解決のために創意工夫を凝らすことが求められます。このため、独創性を発揮できる特性は有益です。

ただ、すべてのADHDの人が発想力に優れているとは限りません。実現性や実用性を欠いたアイデアも多く生み出されることも多いです。このため発想が活かせれる求人だったり、同僚・上司からフィードバックやフォローが受けられたりする求人を選ぶ必要があります。

豊かな感受性で共感力が高く親切・親身な対応ができる

ADHDの人は、繊細な感受性を持っていることがあります。それは外部からの刺激に敏感な傾向があるからです。

例えばお客さんのささいなしぐさからニーズや感情を敏感に読みとり、求めているものを先回りしてサービスを提案することができます。

また、自分自身がミスをした場合にも、そのことに敏感に反応し、改善するために努力する傾向があります。このため、お客様に対するサービス向上に貢献することができます。

ただ短期的な刺激に強く反応するため、よく考えずに反応してしまうことが多くなりがちです。これが原因で相手の話を聞き取り間違ったり、相手の感情やニーズを的確に理解することが難しい場合があります。

こうしたデメリットに注意しながら、ADHDの特性のうち自分がどれにあたるのかを見極めつつ求人を選ぶように心がけましょう。

ADHDが避けるべき接客求人と注意点

このようにADHDの人には、接客業において有益な特性が多く存在します。ただ個人差があるため、自己理解を深めることや適切な支援を受けることが大切です。

また、こうした発達障害の特性に対する就職や転職の支援は、一般の求人では受けることができません。このためADHDの人が就職や転職をするときは、障害者雇用を選ぶことが重要です。

障害者雇用で接客求人を選ぶとき、いくつかの留意点があります。そこで以下では、その留意点を詳しくみていきます。

集中力を保つ環境が整った求人を選ぶ

接客の求人は様々なので、ADHDの特性に合った仕事もあります。ADHDの人は前述の通り、エネルギッシュで社交的な人が多いです。ただ、その一方で外部刺激に敏感すぎて、注意散漫になりやすい人もいます。

こうした特性の人はアパレルなど、落ち着いた環境で過剰な刺激を避けるようにすると良いでしょう。例えば以下の写真は、化粧品の接客販売の様子です。

こうした仕事は、お客様とマンツーマンで接客することにより、ひとりひとりに合った商品を提案・販売します。一人のお客様に集中できるため、ADHDの特性にぴったりです。

ただ同じ接客であっても、大人数のお客様を相手に対応する求人は苦手です。例えば以下は、ホテルの障害者雇用・正社員求人です。

ホテルの業務全般の求人ですが、接客の場合フロントやロビーにおける業務となります。ホテルでは夕方から夜にかけてお客様が集中するため、エネルギッシュに活動しなければいけません。

このとき、外部刺激にとらわれることで注意散漫になりやすいADHDの人は、持ち味の社交性や行動力を活かせないことがあります。多様な業務を同時進行するマルチタスクが普通であるため、短期記憶の弱い発達障害者のADHDの人は、こうした求人は避けた方がいい場合があります。

また散漫な注意力は、忘れ物やミスの原因となります。このためメモやリマインダーの活用によって集中力の維持とミスの防止につながります。

こうした特性からADHDの人は、集中力を維持するためにストレスを軽減する工夫が必要です。ただADHDの人はストレスに弱く、過剰に反応することがあります。ストレスを軽減するためには、適度な休憩やストレス解消の方法を見つけることが大切です。このため、クールダウンができる求人などを選ぶ必要があります。

このようにADHDの人が接客の求人を選ぶとき、集中力の維持が最も大切です。このため、できるだけ自分の特性に合った求人や、障害への配慮と理解が得られる求人を選ぶようにしましょう。

ADHDは接客の基本であるチームワークが苦手

接客業は同僚と連携してお客様に対応する場面が多いです。ADHDの人は社交的な人が多いですが、その一方で外部刺激に流されやすい人もいます。こうしたとき、周囲の状況に気を取られやすいため他のメンバーの言葉や行動に敏感に反応しすぎてしまい、混乱して自分の考えをまとめることが難しい場合があります

また緊張やストレスによって集中力が低下することもあります。このため仲間内でプレッシャーのかかる状況に、苦手意識を持つ傾向があります。

こうした傾向のあるADHDの人は、障害者雇用の応募条件でチームワークを強調する求人は避けた方がいいです。例えば以下は、アウトドアブランドの障害者採用・正社員求人です。

店舗の販売スタッフの求人です。応募条件においては、チームワークを重視しています。接客は、お客様に対する提案力が重要となります。このとき、お客様のニーズに見合う商品を素早く提案しなければ、優れた接客といえません。こうしたときは単独による接客よりも、あらゆる角度からスピーディに提案するために、同僚との連携が必須です。

このようにチームワークを苦手と感じるADHDの人は、その原因として集中力や注意力の短さ、環境の変化に敏感な性格、コミュニケーション能力の低下、緊張やストレスに弱いといった点が挙げられます。

ただADHDの人であっても、チームワークを円滑に進める方法があります。それは「個人と職場の目標を明確にすること」です。注意散漫なときは、ADHDでなくても何をすべきかわからなくなります。

このときチームの中で自分は何に対して貢献できるのか目標を持ち、仕事に軸を作ることでやりがいと集中力を発揮できやすくなります。

ADHDの人が接客の求人を目指すとき、チームワークが苦手な場合は、自分の特性に合った求人を慎重選ぶ必要があります。またチームワークが求められる求人を選ぶときは、チームや会社の目標と自分のキャリアプランや仕事の目標が一致している求人を選ぶようにしましょう。

接客にはクレーム対応力や強いメンタルが必要

接客においては、クレームがつきものです。クレーム対応では、相手の話を注意深く聞くことが重要です。ただADHDの人は、注意散漫になりがちで、相手の話を聞き逃してしまうことがあります。このため相手の意見を理解し、冷静に対応するよう心がける必要があります。

例えば以下は、飲料メーカーの障害者雇用・正社員求人です。

ミネラルウォーター通販会社の、コールセンター求人です。商品注文のほか、クレーム対応が必要です。

こうした商品への苦情に対応するには、相手の感情をコントロールすることが求められます。ただADHDの人は、感情的になりやすく、怒りやイライラを表に出しやすい傾向があります。相手の様々な反応や感情のうち、ひとつのものに集中し固執してしまうからです。

このためコールセンターのオペレーターに必要な感情をコントロールと、それによる円滑なコミュニケーションが難しいです。

またクレーム対応では、お客様に正確な情報を提供することが求められます。このときADHDの人は、情報をうまく整理することができない場合があります。必要な情報を整理し、相手に的確に伝えるスキルを高めるように意識しましょう。

このようにクレーム対応は、普通の人であっても非常に難しいです。このためADHDの人は、必要に応じて障害に対するサポートやアドバイスを受けることが大切です。

ADHDに適した接客求人

前述の通りADHDの特性は、興味や関心の高いことに集中力を発揮できることです。またエネルギッシュで社交的な場合があります。こうした特性は変化に富み、飽きない仕事や忙しく動き回ったり、スピーディに対応したりする仕事に適しています。

そこで以下では、実際の求人をみながらADHDの人に適した就職・転職の仕方を解説します。

カウンセリング・接客販売求人

ADHDの特性が最も活かせる求人のひとつは、お客様との短時間のやりとりが特徴の仕事です。ADHDの人は顧客との長期的な関係を維持しながら販売を行うことは苦手だからです。

その一方で短期的な接客であれば刺激が多く、飽きずに続けられる可能性があります。また、作業がルーチン的であるため、注意力を維持するのに適している場合があります。

例えば以下は、大手眼鏡販売店の障害者雇用・正社員求人です。

眼鏡小売の店員の求人です。お客様の要望に応じて、商品の提案から眼鏡の加工、販売を行います。多くの来店客に向き合い、セールスを行います。また、それに付随して接客や商品の陳列、清掃など、多岐にわたる業務を行います。

こうした接客は、化粧品販売店にも多く存在します。例えば以下の写真は、化粧品のカウンセリング販売の様子です。

このように異なる人々とコミュニケーションを取りながら、多様な環境で働くことはADHDの特性に適しています。スピーディでエネルギッシュな特性を持つADHDの人は、多数の来店客に応対する求人を選ぶようにしましょう。

お客様からの反応を受けられる講師・インストラクター求人

ADHDの人はお客様からのポジティブな反応を、その場ですぐに受けることに喜びを感じることが多いです。これはADHDの特性が、お客様から感謝されるなどの社会的な報酬がモチベーションに結び付きやすいからです。

このため、例えば学校の先生や講師、観光客に対してアトラクションの説明や案内を行う仕事など人と接することが好きな人に適している場合があります。

こうした特性は、実際の障害者雇用の求人で似たような仕事がいくつか存在します。例えば以下は、ヨガスタジオの障害者雇用・正社員求人です。

ヨガのインストラクターの求人です。インストラクターの仕事に付随してフロントでの接客などがあります。

こうした求人であれば、お客様からの心身のリフレッシュに貢献出来てお客様からの肯定的な反応を直に感じられます。また忙しく多様な仕事をこなすことで、飽きが来ません。

このようにADHDの人は、お客様から感謝されたり喜ばれたりする反応を受け取られる求人でモチベーションを高め、就職・転職を成功させましょう。

接客に類似した求人で選択肢を増やす

接客の求人は、障害者雇用だと少ないです。障害への配慮がしづらかったり、障害者には対人不安の強い人が多いからです。ただADHDの特性には、社交性の高い場合もあります。このため接客の求人を選ぼうとしているADHDの人は、選択肢が減ってしまいます

接客といえば前述した接客販売が多いです。このとき一見接客とは無縁と思われる求人であっても、実質的に接客が仕事の求人があります。例えば以下は、警備会社の障害者雇用・正社員求人です。

警備員の求人ですが、主な仕事は施設の巡回や受付です。警備員なので施設防犯の要ですが、それ以外に施設の顔としてお客様窓口や職員通用口の受付を行います。毎日さまざまな来所者とあいさつを交わしたりして触れ合うことで、変化のある飽きの来ない業務を続けることができます。販売接客に多い販売ノルマはありません。

接客求人を目指すADHDの人は、こうした業務が類似している求人で選択肢を広げて就職・転職を有利に進めましょう。

特性が活かせるサポート体制の充実した求人を選ぶ

接客求人を目指すADHDの人は、その特性のひとつである社交性を持っていたとしても、障害者である以上必ず職場でのサポートは必要です。障害者雇用であれば障害に対する職場からの理解や配慮はありますが、求人によってその度合いはまちまちです。たとえ社交性を活かした仕事をしていても、ADHDの特性に見合う配慮がなければつらい場合があります。

このためADHDの特性に合った配慮が明確な求人を選ぶことが大切です。ADHDの人が最も必要とする配慮は、働き方です。その中でも特に、職場でのサポート体制の有無が重要になります。ADHDの人は過集中で視野が狭くなり、仕事に客観性が失われることがあるからです。こうした障害によるデメリットは、周囲の適性な指摘・指導がなければカバーすることができません。

例えば以下は、アパレルの障害者雇用・正社員求人です。


店舗における接客販売業務です。特筆すべきは、障害に対する手厚いフォローです。商品知識の習得や接客トレーニングだけでなく、メンター制による業務フォローや面談など、ひとりひとりの働きやすさを考えた制度が取り入れられています。

ADHDの人は時として頼まれもしないのに過集中状態に陥って全力で仕事に取組み、ひとりで疲弊してストレスをため込むことがあります。こうした客観性のなさは、メンターによる指摘やフォローがなければ是正は難しいです。

このようにADHDの人が就職・転職の中で、接客業務で活躍したいときは働きやすさに重点を置いた求人を選ぶようにしましょう。

独自で接客求人を探すことは難しい

障害者雇用の中で接客の求人は多くありません。またADHDに適した接客求人を、転職サイトなどで情報を集めたとしても、少ない情報からではそれが自分に適しているかどうかは一人ではわかりません。そこで就職や転職活動の時は必ずサポートが必要となります。

このとき障害者には就職・転職で公的な機関や民間の転職サービスなど、さまざまなサポートがあります。公的な機関はもちろん無料で利用できますが、民間でも転職サイトに登録して転職エージェントを利用しても無料でサービスを受けられます。転職エージェントは募集側からの依頼料で運営されているからです。

公的なサービスとして代表的なものはハローワークです。ただハローワークでは、担当者による当たり外れが大きく、親身に熱意を持って対応する担当者もいれば、そうでない場合もあります。

一方で転職エージェントは公的機関と違って、担当者の職業あっせんの実績が担当者の力量が業務評価にかかわります。このため優れた求人を利用者にあっせんする意気込みは公的な機関と比べて高いです。

また転職エージェントは公開求人だけではなく、自社の持つ多くの非公開求人の中からあなたにもっとも適した求人を紹介してくれます。求人提案だけでなく、面接の指導や履歴書の書き方など転職にかかわる全般のアドバイスも受けることができます。

このため障害者が就職や転職するときは複数の転職エージェントに登録し、多くの求人の提案をうけましょう。そして独りよがりにならないように面接指導を受け、自分に最も適した求人で就職・転職を成功させましょう。

まとめ

ADHDの特性は、社交力や行動力がありエネルギッシュであることです。また柔軟な発想力や豊かな感受性で共感力を活かせることから接客販売の求人に適しています。

ただADHDの人が避けるべき接客求人はあります。それはマルチタスクなどで、集中力が保てない環境の求人です。またADHDの人はスタンドプレーを好むため、チームワークをことさら強調する求人を避けた方がいいです。

また接客にはクレームがつきものです。感情コントロールが苦手なADHDの人は、クレーム対応の多い求人には慎重になった方がいいです。

一方でADHDの特性が活かせる求人は、カウンセリング販売などの接客販売や、お客様からの反応を受けられるインストラクターなどの求人です。短時間のささいなやりとりや、お客様からのポジティブな反応に大きな喜びとやりがいを感じ取りやすい特性があるからです。
ただ障害者協で接客求人は少ないです。このため選択肢を増やすには、警備員の施設受付のように、接客に類似した求人を選ぶことも必要です。
また、求人を選ぶときはADHDの特性を活かせるように、働きやすさにフォーカスしたサポート体制の充実した求人を選ぶことが重要で鵜す。

ただADHDの特性は人によって様々です。自分の特性を活かせる求人を選ぶには、独自で接客求人を探すことは難しいです。このため公的な機関だけでなく、複数の転職エージェントを利用しましょう。そうして幅広く求人を集め、面接指導を受けながら自分に合った求人で、就職転職を成功させましょう。


障害者が就職・転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい障害への配慮や労働条件の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、障害者特有の事情説明や交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「障害に応じた求人情報が多いか、少ないか」「転職エージェントが障害の特性に理解があるか」「転職後のフォローが手厚いか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。