だれもが美しさや若さを願っていますが、そうした思いに貢献できる美容業界は人気があり、多くの障害者が働いています。また、別の業界で働いている障害者が美容業界にあこがれ、就職・転職したいと考えている場合もあります。

一方で、美容業界に勤務していても、職場の人間関係やでうつや適応障害に悩む人がいます。また、拘束時間が長く立ち仕事であるため、身体障害者や発達障害者には負担です。

こうしたとき障害者雇用で就職・転職をして、配慮や理解を得ながら働いた方がいいです。美容業界は美容師・理容師をはじめネイリストやマッサージなど多くの職種があるため、ほかの業界に比べて障害者雇用の求人は多いです

ただ職種によって仕事内容が大きく異なるため、働き方や待遇も変わります。このため、それぞれの職種のメリットや注意点を理解しておかなければ、就職や転職で成功できません。

そこで以下では、美容業界の障害者求人の種類や特徴をみていきます。

美容業界で資格・経験を活かして就職・転職する

美容業界には様々な職種がありますが、障害者雇用のおもな求人は以下の職種です。

  • 美容師・理容師
  • ネイリスト
  • 美容クリニック
  • 美容部員・化粧品販売員

これらの仕事内容は大きく異なりますが、共通して必要なのはセンスやスキルです。来店する客を固定客へと育成するためには、質の高いサービスを提供する必要があります。

例えば以下は、化粧品販売店の接客販売の様子です。

このように美容業界は一対一で接客するため、個人の技量が頼りです。必要となる技量は、プロとしての技術だけでは足りません。障害者雇用であっても、来店客を和ませる会話力、容姿を含めた人間的な魅力や素質が必要です。

ただ、こうしたスキルや素質は短期間で簡単に身に付くものではありません。長い実務経験の中で体得しなければならないものです。

このため美容業界の障害者雇用求人は、即戦力となる経験者の求人が多いことを理解しておきましょう。

理・美容師の求人に免許は必須、実務年数は不問の求人であってもスキル重視

美容業界のうち、理容師や美容師の免許は国家資格です。このため、応募要件にこれらの免許が必須となっていることが普通です。また、これらの免許があれば、どのような理美容師の障害者雇用求人も応募可能です。

一方で、実務経験年数は応募条件になっていません。ただし実務経験は問われなくても、スキルは重要です。

例えば以下は、大手美容室の障害者雇用・美容師求人です。

美容師としてパーマやカットなど美容業務全般の求人です。この求人の仕事内容や応募資格は、以下の通りです。

応募資格で美容師免許は必須ですが、実務年数に条件はありません。ただしスキルを見定めるため、採用後に技術テストが行われます。

このように理美容師の求人では、スキルチェックが行われることは多いです。スキルが足りなければアシスタントやカラーだけの仕事に回されることもあります。

このため理美容師の求人選びでは実務経験が浅くても、一定のスキルがないままでは難しいことを理解しておきましょう。

ネイリスト求人の応募条件に多い技能検定

一方で、ネイリストは理容師や美容師のような国家資格はありません。ただし、ネイリスト技能検定があります。

ネイリストの障害者雇用求人には、ネイリスト技能検定が必須条件となっていることが多いです。

例えば以下は、ネイルサロンの障害者採用・ネイリスト求人です。

応募資格に、実務経験は必要ありません。ただ、ネイリスト技能検定試験2級が必須となっています。

ネイリスト技能検定は1~3級までありますが、基礎レベルの3級、またはサロンワークで活躍できる2級レベルが条件であることがほとんどです。ネイリスト技能検定2級であれば、履歴書などでアピールできるレベルです。ネイリスト技能検定は実技と筆記試験ですが、2級までは難易度は高くありません。

検定資格は実務経験が浅くても新たな職場で仕事に取り掛かりやすかったり、採用側にとっては応募者の中から採用判断がしやすかったりします。

このため実務経験が浅い障害者は、ネイリスト技能検定を取得している方が求人選びが有利であることを理解しておきましょう。

訪問美容師の求人であれば土日・祝日休、定時勤務が可能

こうした美容サロンは、顧客が仕事終わりや休日に利用することが多いです。このため美容求人は、障害者雇用でも勤務時間が夜間までだったり、週休2日でも土日勤務で休日が平日だけだったりすることが普通です。

例えば以下は、休日の理容室の様子です。

このように朝から満席の状態で、従業員総出でカットをしています。

ただ、美容求人の中には定時勤務、土日週休の求人もあります。それは、訪問美容です。

例えば以下は、理美容室を経営する会社の障害者雇用・正社員求人です。

移動美容車で老人ホームなどに訪問して、理美容業務を行います。この求人の勤務時間や休暇は以下の通りです。

日曜日が定休であり、土曜日は隔週で休みとなっています。

移動美容は店舗型ではないため、顧客からの注文があれば対応します。訪問美容は、この求人のように老人や障害者施設からの注文が多いです。店舗型のように、一般の人の勤務終了後や休日に合わせる必要がないことから、夜間や休日の勤務はありません

このため美容求人でも、うつや発達障害者、精神障害者のように定時や週末の休日など規則正しい生活が必要な障害者は、訪問美容師の求人を積極的に選びましょう。

美容業界の経験が活きる販売・美容部員などのカウンセリング販売求人

美容業界は化粧品販売に携わる求人があります。化粧品販売は、カウンセリング型の販売が一般的です。

カウンセリング接客販売では、会話の中で来店客の意をうまくくみ取り、時にはメイクなどを実演して自社製品を提案・購入してもらいます。このため、障害者雇用でも高いコミュニケーション力・説明力が必要となります。

例えば以下は、スキンケアショップのカウンセリング販売の様子です。

こういったスキルは、短期間でかんたんに身に付くスキルではありません。失敗や成功を繰り返しながら、体得していく必要があります。このため求人では、障害者雇用でも実務経験が必須の応募資格が多いです。

例えば以下は、スキンケア商品を販売する会社の障害者雇用・正社員求人です。

カウンセリング型の接客・販売業務です。この求人の応募資格は以下の通りです。

美容部員などの化粧品販売経験や、美容業界の経験が必須となっています。来店客と対面して会話の中で抱えてる悩みや問題点を聞き出し、肌質や要望に合った商品を説明・提案することが重要だからです。

このため人との会話の中で、人とのつながりを感じながら働きたい障害者は、こうしたカウンセリング型の接客求人を選びましょう。

資格なし・未経験OKの障害者雇用求人で実務経験を積む

美容業界は前述の通り、美容師やネイリストのように免許や資格が必須だったり、実務経験者が優遇されたりすることが普通です。ただ、美容求人でも障害者雇用であれば資格・実務経験不問の求人は多いです。

以下で、美容業界で実務経験や免許が不問の障害者雇用求人を詳しくみていきます。

美容師のアシスタントとして働く資格・経験不問の求人

美容師の求人では、即戦力となる求人以外に無資格や未経験でも応募できる求人があります。それはアシスタント職です。アシスタント職は、美容師などの補助として働きます。

美容師補助は軽作業が中心のため障害者雇用が多く、知的障害者や身体障害者でも担えることが多いです。

例えば以下は、美容サロンの障害者雇用・正社員求人です。

理容師アシスタントの求人です。未経験者であれば、基礎から丁寧に教えてもらえます。このため、理容師として自立を目指している障害者に適しています。

この求人の応募条件は以下の通りです。

応募条件に免許・資格は不問となっています。理容師の補助なので理容師の免許は必要ありません。また、実務経験も応募条件になっていません。

美容業界の障害者雇用では、このような補助業務が多いです。美容業界では一般的な指名ノルマやコミュニケーションのプレッシャーから解放されるので、障害者にとっては負担になりません

このため実務経験の浅い障害者や、パニック障害・統合失調症などで心身に負担がかからないようにしたり、実務経験を積んで将来の自立に向けたスキルを学んだりするために、こうした補助業務の求人を選びましょう。

看護師補助として軽作業で働く美容クリニックの障害者雇用求人

美容求人は、こうしたサロンワークや販売求人だけではありません。障害者雇用では美容クリニック・美容整形の求人も多いです。

美容クリニックの求人では多くの看護師が在籍しており、看護師が施術を行うことが多いです。このとき、障害者雇用はアシスタントとして、看護師の業務全般を補助する求人が大半です。

例えば以下は、美容クリニックの障害者雇用・正社員求人です。

看護師の要求に応じてタオル交換や薬剤の補充を行ったり、清掃・片付けや資材の準備をしたりします。

こうした軽作業は、軽度知的障害者や身体障害者でも担うことができます。また、業務を通して施術知識やスキルを学び、美容業界で実務経験を積むことができます。

このため、美容業界で経験を積み、長く安定して働きたい障害者は美容クリニックの求人を選び、負担なく働いて知識やスキルを身に付けましょう。

美容事務職求人であれば資格は不要、心身に負担がない

こうした美容求人は、店舗で来店客と対面して働く職種が多いですが、一般の会社と同じく障害者雇用の美容事務職もあります。

事務職であれば、美容業界でも専門資格やスキルは必要ありません。また事務職であれば定時勤務だったり、土日週休2日だったりする場合が多いです。

例えば以下は、美容クリニックの障害者雇用・正社員求人です。

大手美容クリニックの事務職求人です。この求人の仕事内容は応募資格は以下の通りです。

バックオフィスの仕事であり、発注や確認・データ入力など一般の会社と同じ事務です。応募資格はかんたんなパソコンスキルがあれば十分であり、美容求人に多い資格や実務経験は必要ありません。

専門性が高い職種である美容業界ですが、事務職であれば社会人未経験や実務の浅い障害者でも応募できます。また、ほかの業界で事務職を経験していた障害者が美容業界へ転職するとき、これまでの事務経験が有利になることもあります。

このように業界の資格・経験のない障害者が美容求人を選ぶとき、事務職を選択肢に入れて就職・転職しましょう。

まとめ

美容求人は障害者雇用であっても、応募条件で資格や経験が必要なことが多いです。理美容師の求人は免許が必須であり、実務経験は不問であっても、スキルは重視されます。ネイリストの求人は、ネイリスト技能検定が必須となっている求人が多いです。

ほかにも、高いコミュニケーション力を活かした販売スキルが必要なカウンセリング販売の求人は、美容業界の経験を活かしたい障害者に適しています。

一方で障害者雇用には、美容求人であっても資格がなかったり、実務未経験でも応募できる求人は多いです。それは、美容師のアシスタントや美容クリニックの看護師補助の求人です。れらの求人は障害が重くても働くことができる軽作業が大半です。また、美容会社の事務職であれば土日休日や定時勤務など、規則的な生活ができます。

このように美容業界の障害者雇用は、店舗や売場で顧客とコミュニケーションをとりながら資格・スキルや経験を活かし働くことができる求人から、補助・事務職としてこれらの業務をサポートする求人まで様々です。このため、自分の将来の目標や障害と向き合いながら、どのようにして働きたいのかを考えて求人選びをして、就職・転職を成功させましょう。


障害者が就職・転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい障害への配慮や労働条件の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、障害者特有の事情説明や交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「障害に応じた求人情報が多いか、少ないか」「転職エージェントが障害の特性に理解があるか」「転職後のフォローが手厚いか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。