障害者が就職・転職するとき、履歴書の作成や面接対策で、最初からスムーズに進めていくことができる人は少ないです。面接などで何をアピールすればいいのか、よくわからず苦手意識が先に立ってしまうからです。

私の場合も同じでした。就職・転職しようとしたとき書類選考で通らなかったり、「何を準備をすればいいかわからない」「どのような点に注意すればいいかわからない」などいって悩みました。

また面接会に参加したり多くの会社の面接を受けたりしましたが、最終面接で落とされたりしました。そうして不満を抱えながら現状の会社にしがみつき、数年間を浪費してしまいました。

ただ転職後は、さまざまな業務を経験できました。このため面接対策では、障害の配慮事項の伝え方やマニュアルなどの小手先の対策以上に重要な正しいやり方や考え方があることがわかりました。

また、面接で落とされるときはそのフラグがあったり、採用されやすい方法を理解して進めていけば、就職転職活動は難しくないことがわかるようになってきました。

そこで以下では、障害者だけでなく発達障害のグレーゾーンの人などが就活で成功するために、ライバルに差がつく志望動機や面接対策をどのように進めていけばいいのかを解説します。

自己分析で自己PR・志望動機の土台を作る

障害者の中でも特に社会不安障害や精神障害の人は、面接を怖いと感じることがあります。面接の途中で泣き出す人もいるといいます。7

こうした対策として就職・転職活動で最初にやるべきことは「自己分析」です。面接で聞かれることは決まっており、それが自己PRや志望動機ですが、自己分析はこれらの土台となるからです。

例えばスキルや資格を活かそうとするとき、自己分析によって掘り起こした経験に重ねて面接でアピールすることができます。一方で資格やスキルがなくても、自己分析によって自分の強みを発見し、その強みを活かした経験をアピールすることができます。

こうして自己分析で適性や強みを把握し、過去の経験を整理することで土台を作っておけば、面接でありがちな想定外の質問にも自信をもって答えることができます。

自己分析で長所や強み、適性を把握する簡単な方法

それでは、自己分析をどのように進めていけばいいのでしょうか。

このとき最初は自分の過去を振り返り、面接でアピールするための自分の強みや特性、志望動機を整理します。自己PRと志望動機は、面接で必ず質問されるからです。

例えば面接では「私は与えられた目標に、全力で取り組むガッツが強みです」「人が面倒がってやらない仕事をコツコツとこなし、係に貢献してきました」というように、過去の経験を自分の長所・特性の証明としてアピールします。

このため自己分析では、最初に過去の経験から会社に貢献できる強みを見つけて、面接対策の基礎固めをしましょう。

なお、自己分析は「このようにしなければならない」という決まりはありません。思いつくまま紙に書き、自分の強みを探す楽な気持ちで行いましょう。

・自己分析で過去の経験から強みを把握する

一方で自己分析について、「いまさら過去の経験を思い出して書き出すなんて、面倒くさい」という障害者がいます。

ただ強みや志望動機がはっきりとわかっている障害者であっても、必ず自己分析してください。自己分析で過去を整理しておかないと、強みをわかりやすく説明できないからです。

例えば自己PRで「前職の営業では、多くの顧客を獲得しました」と一言で済ませてしまう人がいます。これでは採用側が、その成果に結びついた強みはコミュニケーションが得意だからなのか、マーケットの分析が得意だからなのかわかりません。

こうしたとき、面接では経験でその強みを証明する必要があります。

例えば「緻密な顧客分析が得意でした」「このため効率よく見込み先を選定して、新規顧客を獲得しました」というように、強みが証明できるアピールが必要です。

このように面接では実績よりも「どのようにして顧客を獲得したのか」その過程の方が重視されます。このため実績や成果をアピールするときは、どのような経験からその強みが発揮できたのかを語るようにしましょう。

・目覚ましい実績や経験は不要

このとき、目覚ましい成果や職歴なしでも問題ありません。自己分析がしっかりできていれば、実務実績以外の経験であっても、自分の特性としてアピールできるからです。

例えば「人に頼られることが多いです」「責任を果たすことが喜びです」「その強みを活かして御社に貢献します」などのように実務以外の経験でも十分アピールが可能です。

このため、実務経験やスキルの有無にかかわらず、自己分析を行って自己理解を深めましょう。

以下は、自己分析チェックシートです。項目順に紙に書き出してください。なお、他の転職サイトよりも簡単なチェックシートです。自己分析というのは自分を振り返るためのシンプルな作業なので、この程度で十分です。

自己分析チェックシート

小・中学校 高校 大学 社会人
思い出・できごと
思い出になっている理由
仕事で活かせる強み
得意教科、趣味・特技など

上の自己分析チェックシートで小学生の頃から現在までを振り返り、それぞれの時代の思い出深い出来事を書き出してみましょう。

これは面接対策の大切な作業です。思い浮かぶままに書くことが重要です。長々と書かなくてもいいです。面倒くさがらずに書いてください。

・些細なことが強い思い出になっている「理由」に強み・特性がある

このチェックシートで重要なことは次の2点です。
ひとつ目は、過去の経験が今でも強い思い出として残っている「理由」です。それは些細な出来事であっても、思い出として残っている理由があるからです。そして、その理由こそが強みや長所を発揮した大切な経験だからです。

例えば私の場合、中学校時代に文化祭が思い出として残っています。

それはクラスの出し物の提案を誰もしようとせず、クラスがまとまらなかったときに私が率先してアイデアを出し、そのアイデアに乗って次第に友だちがまとまり成功した思い出です。

そこには、発案することでクラスを盛り上げることができた自分の特性がみえてきます。このとき、リーダーシップを発揮したわけではありません。そのような強みは、私にはないからです。

このように些細な経験や強みであっても、こうした発案してチームに貢献する強みを面接でアピールすることができます。この強みは、企画や経営だけでなく研究開発、営業など志望理由にも展開させることもできるからです。

障害者の中には、「ばかばかしい」「仕事は、学芸会のような単純なものではない」といって貴重な経験をアピール材料として捉えない人もいます。

ただ、こうした人に限って周囲の目を気にしすぎたり、勇気がなくてできなかったりして些細な経験すらできず、人の足を引っ張ってばっかりの経験の方が多いです。

このため、せっかくの経験を「とるに足りないもの」としてよく考えずに捨てることはもったいないです。自信をもって自分の特性・強みと捉えましょう。

そうして無意識の出来事から記憶を呼び起こし、その出来事が思い出として残っている「理由」にフォーカスして自己分析をしましょう。

・自己分析の基本は「仕事に貢献できる」強み・特性

次に自己分析で重要なことは「自分の強みが、どのように会社に貢献できるのか」を常に意識することです。採用側が面接で知りたいのは、「会社に貢献してくれる人材かどうか」だからです。

例えば漫然と「あのときは楽しかった」「このときは苦しかった」と振り返るばかりでは、いつまで経っても採用につながる強みがみえてきません。

このため自己分析では、「会社の貢献につながるような特性」を常に念頭に置き、それを意識しながら自己分析を進める必要があります。

ただ、「学生や子供のころの経験が、実際の仕事で強みとして活かせる特性となるのかがわからない」「就職や転職が初めてなので、何が仕事で貢献できるのかわかない」と思う障害者がいます。

このとき、むずかしく考える必要はありません。自分がこれまで経験した中で、自覚している長所に結び付ければいいからです。

以下は、上記自己分析チェックシートの記載例です。

自己分析チェックシート(記載例)

小・中学校 高校 大学 社会人
思い出・できごと 中学2年の文化祭 生徒会活動 卒業アルバム制作 営業係3年目の仕事
思い出深い理由 みんなとの一体感 活動を裏から支え頼られた 発案内容が好評 創意工夫で成果をあげた
仕事で活かせる強み チームワーク、想像力 サブリーダー、共感力 企画力、想像力 創造力
得意教科、趣味・特技など 美術、バスケットボール 日本史、鉄道旅行 写真 パソコン

これは、私の自己分析例です。人の先頭に立ってチームをまとめた経験もなければ、勉強や仕事で目覚ましい成績を上げたこともありません。

ただ、こうした些細な経験ばかりであっても、自己分析で特性が発見できます。そうして、その特性が面接のアピール材料となります。

このため自己分析シートを何枚も作成して、自分のいくつもの可能性を探ることができます。

例えば私は就職活動の面接で、自己分析を活かすことができました。それは、私がマンション販売会社の集団面接を受けたときのことです。

他の応募者は、チームリーダーや留学経験、TOICの得点を誇っていました。一方私には、こうした経験や資格がありませんでした。このため、自己分析で得られた以下のような強みをアピールしました。

  • 部員同士の対立で停滞した生徒会活動で間に立ち、互いの意見を尊重しながらクラブを活性化させた「共感力」
  • 卒業アルバムの制作で、従来にはなかった教職員の特集などの提案が採用されて、学生に好評だった「提案力」

このように過去の些細な経験から得られた強みと、その特性を生かして会社に貢献したいことをアピールしました。

そうしたところ、特にたいした経験がない私であっても内定をいただくことはできました。これは面接で奇をてらわず、等身大の自分を語ることができたからです。これは自己分析のおかげです。

採用側は「リーダーシップ」や「販売実績」など、一般的に評価が高いといわれているスキルばかりを求めていません。

このため輝かしい学生生活や実務実績がない障害者であっても、自己分析で丁寧に過去を振り返りましょう。そうすれば面接で臆することなく自己PRができ、採用側に誠実な好印象が伝わります。

生まれ持った特性を知るために子供のころの自分を探る

ただ、こうした自己分析がうまくできない障害者もいます。自分の強みが発揮できた経験や、思い出となるような経験が乏しいと考えていたり、自己肯定感が低かったりするからです。

このときは、むずかしく考えず、子供のころの気持ちに戻ってみましょう。子供のころは他人の目やしがらみがないため、だれでも自由に強みや特性を発揮しているからです

例えば子供のころを思い出すことによって、仕事や業界への適性まで展開できます。

  • 小さい頃に絵が得意だった人は、デザイナーや広告業界
  • 工作が好きだった人は、建築士や建設業界
  • ゲームが好きで、自作でゲームを作った経験のある人はプログラマーやIT業界
  • グループ内で、協力して作業をすることが好きだった人は、事務職や公務員
  • 気楽にひとりで作業するほうが集中できた人は専門職や、資格やスキルが身につく仕事

このとき絵が好きだった人がデザイナーにはなれず、現実的な選択として事務員や公務員として働く場合があります。

ただ同じ事務職であっても、例えば銀行の事務員としてではなく、デザイン会社に事務職員として転職する方がいいです。

適性があるデザインの仕事を身近で感じながら働くことで、仕事の満足度が格段に上がるからです。

他にも自分だけが興味を持ったり、人が苦労する勉強や仕事を難なくこなしたりした経験は、その分野で間違いなく適性があります。

ひとりひとりの強みや特性は身長や運動神経と同じように、親からの遺伝による影響と深い関係があるといわれています。このため、こうした幼いころを振り返る自己分析は、志望業種や会社を決めるうえで有効な手段になります。

このため自分の特性を知るためには、子供のころに夢中になったことを思い出してみましょう。

・自分の子供の頃を知る両親や幼馴染に特性を尋ねる

ただ、こうした経験がなかなか思い出せない場合があります。このとき、親や自分の子供のころを詳しく知る人に尋ねてみましょう。客観的な自分を知ることができるからです。

例えば幼馴染など、子どもの頃からの友人に「私って、何が向ているかな」と尋ねてみます。このとき「絵が好きで、暇さえあれば絵ばかり描いていた」ということであれば、デザインセンスに適性がみえてきます。

他にも「車が好きで、大人も知らないような車名まで知っていた」と答えがあれば、旺盛な知識欲が適性としてみえてきます。

こうした質問によって、自分の適性を幅広く探ることができます。

また、自分を知るうえで以下のような方法があります。

  • 学校の通知表の内容
  • 先生や先輩、友達からほめられ経験や思い出

こうした過去の特性を探ることで、ありきたりの志望動機にならずに済みます。そうして採用側に納得してもらえるような、筋の通った志望動機や自己PRをすることができます。

自己分析で掘り起こした強みを自己PRする例文

自己分析で自分の特性や強みを発見した後は、面接対策で自己PRと志望動機を考えます。

最初は、自己PRです。自己PRでは自分の強みや特性だけでは足りません。前述の通り「会社に何が貢献できるのか」をアピールする方がライバルに差がつきます。

それは自己PRでは、過去の経験談で終わってしまう障害者が多いからです。

例えば以下は、ある転職サイトの自己PRの例文です。

これまで衣料品販売店のスタッフとして接客販売業を経験をしてきました。なじみの方から新規の方まで様々なお客様が来店する店でしたが、お会計では笑顔で「いつも、ありがとうございます」とお声かけをするなど、次も買い物をしていただけるよう努めました。こうして、お客様からも「いつも、ありがとう」といっていただけるようになり、販売を通しておもてなしの心で接することを学びました。

この例文は過去の経験と強みがうまく表現できています。

ただ、過去の体験とその経験から得られた成長を述べるにとどまっています。これでは採用側の印象は、「だから、何?」と思われるだけで終わってしまいます。

そこで、この例文を以下のように改良します。

私の強みは「おもてなしの心で、人と接することができる」ことです。私は笑顔や感謝のことばをもらうことに、喜びを感じるからです。私は衣料品販売店のスタッフの経験があります。

このとき、お店の売り上げにつなげようと常連のお客様づくりに努めました。ご来店するお客様が多い店でしたが、どんなに忙しくても笑顔で「ありがとうございます」とお声かけをしていました。こうしてお客様から「いつも、ありがとう」といっていただいたり、名前を覚えていただけたりするようになり、お客様の定着化につながっての売り上げを増やすことができました。

このように、勤務するお店にどのような貢献ができたのかを具体化しました。これがあなたの持つ強みの証明となり、採用側にとっては、あなたが具体的にどのような貢献してくれるのかがみえてきます。

なお、このとき自己PRでは相手に伝わりやすい話し方の順番があります。
まず最初に、自分の強みとその理由を述べます。その後、具体例として過去の経験でどのような貢献ができるのかをアピールしまします。

そうすれ筋道の通った説明となり、採用側にもわかりやすい内容として伝わります。

採用側が求める人材は、前述の通り「あなたの強みが、会社にどのような貢献をもたらすか」ということです。このため自己PRでは経験談だけで済ませず、必ず経験の中で周りに貢献できたことや、採用後にどのような貢献が見込めそうなのかがわかる内容にして、ライバルに差をつけましょう。

・実務未経験者は学生時代の日常から自己PRをする

ただ、実務経験や成果が特にない場合は、どうしたらいいでしょうか。このとき、学生時代の経験を述べるといいです。実務に結び付きそうな経験は、学生時代の経験であっても十分採用側に好印象を与えるからです。

例えば以下は、実務未経験者の自己PRの例文です。

私は物事を、効率よく進めることが得意です。私は学生のころ、限られた時間の中で勉強と部活動を両立さていたからです。

私は自宅から往復で3時間以上かけて通学していました。はじめのうちは苦労していましたが、やらなければならないことに優先順位をつけることで、効率よく進められることができるようになりました。実務は未経験ですが、こうした要領よく物事をこなす長所を活かして、受付や事務などの仕事で貢献したいです。

このように自己PRでは目を見張るような経験や成果がなくても、問題ありません。些細な日常の経験に自分の強みとなる宝が眠っているからです。

そうして些細な経験であっても、ありきたりの内容とならずライバルに差がつく自己PRができるようになります。

障害者雇用の面接では「配慮があれば会社に貢献できること」をアピールする

障害者雇用の面接では、自己PRでは障害について触れなければいけません。このとき採用側から「どのような配慮が必要ですか」と聞かれます。

この質問に対して「はい。通院のため勤務時間や休日に配慮をお願いします。」と答え、お願いだけで済ませてしまうようでは、採用に結び付きません。

これは、採用側からの質問に対して正確に答えているので、一見問題ないように思われます。ただライバルに差をつけようと思うのであれば、さらに踏み込んだ答え方をすべきです。

このときは、職場で配慮や理解があれば、会社にどのような貢献ができるのかをアピールすることが重要です。

そこで最初に行った自己分析の内容が重要になります。

以下の質問を参考にしながら、どのような環境であれば、自分の強みが発揮できるのかを考えてみて下さい。

  • これまで、どのような環境であれば落ち着いて学習や仕事ができたか
  • どのような分野や環境で結果を出したり、人よりも難なく仕事ができたりしたか
  • 将来どのようなスキルを身に付けたいか、どのような地位や立場で仕事をしたいか

過去の経験から得られた喜びや成果には、必ず共通点があります。それは障害の有無に関係なく、自分の強みが発揮できた経験です。

そこで自分に適する職場環境のためには、どのような理解や配慮が必要かを採用側に伝えます。そして前述の通り理解や配慮によって、どのような貢献が会社にできるのかをアピールしましょう。

例えば以下は、発達障害者のうちASD(自閉スペクトラム症)の場合の自己PR例文です。

私は自閉スペクトラム症で感覚過敏です。特に音に敏感であり電話の音に集中力を削がれたり、ストレスを感じたりします。

また人の言葉や表情から感情や意向を読み取ることが苦手です。このため、デスク周りに電話を置かないようにしていただくと、持ち前の集中力を発揮できます。

また、あいまいな表現や指示を受けると、どのように対応していいかわからないことがあります。このため、業務指示では意図を明確にしていただいたり、具体的であったりすると助かります。このとき、特に文章で指示をしていただくと、私の強みである効率的な業務が発揮できます。

こうした配慮をいただければ、私は資料作りや通達文などを見やすく短時間で作成できます。このため御社で、職場の効率的な事務に貢献できます。

このように職場で受けたい配慮や、その配慮によって貢献できる事柄についてアピールすれば、採用側に好印象を与えることができます。

このように面接で職場における配慮の質問を受けたときは配慮をお願いするだけに留めず、その配慮によってどのような貢献ができるのかを必ずアピールしましょう。

志望動機では「なぜその会社を志望するのか」を具体的にアピールする

次は、志望動機の対策です。このとき重要なことは、「なぜ多くの会社の中から、その会社を志望したのか」という理由です。

このとき、やってはいけない志望動機があります。それは会社・業界をたたえるだけだったり、会社の理念に共感するだけだったりして「だから、御社を志望します」で終わる志望動機です。

これでは会社の理念や業績を論評しただけであり、採用側に積極的な姿勢をアピールをしたことにはならないからです。

例えば以下が、志望動機の悪い例です。

私は食品業界に魅力を感じています。暮らしに必須となる食にかかわる仕事だからです。その中でも御社は、即席食品の業界大手として消費者から長年支持され安定しているため志望しました。

私はこれまで自動車販売会社の営業をしてきましたが、もっと社会を支えている実感が持てる仕事をしたいと考えています。

食品業界にとどまらず食品を通して社会の基盤を支えている御社で、私も社会に貢献したいです。

これでは、自分本位のありきたりな志望動機となってしまいます。

実際のところ採用側は面接で、こうした会社や業界の分析を語る評論家のような応募者の志望動機にはうんざりしています。

このため会社や業界の動向を語るのだけではなく、自分自身が積極的に会社に貢献できる具体的な内容をアピールする必要があります。

例えば以下のような志望動機例です。

私が御社を志望した理由は、御社が即席食品業界で安定した大手であっても、営業や商品企画・開発などの第一線の現場の声を大切にしながら成長しているからです。

私はこれまで、自動車販売会社の営業をしてきましたが、お客様の細かいご要望に耳を傾けて様々な商品を提案し、喜ばれることにやりがいを感じていました。

このため御社でも、お客様のニーズを読みとって商品開発に貢献し、お客様に喜ばれる商品を提案して販売に貢献する営業マンとして活躍したいです。

このように安定や成長している会社だからこそ、それを支えるために貢献できることをアピールすることが大切です。大手の会社が安定している理由は、信用とブランドを守るために社員一人一人が他社以上に絶え間なく努力し、他社に負けない成果を出し続ける社風だからです。

障害者雇用の採用側は、上場企業などの大手が多いです。このため安定業界や安定企業であっても、会社と一緒に成長する気概をアピールしてライバルに差をつけましょう。

・志望する会社の職場見学で志望動機を定める

ただ、希望する会社だけの強みや特徴というのは、働いてみなければなかなか分からないものです。特に実務経験がない障害者であれば、なおさらです。

このとき業界や会社の情報収集に時間を取られがちになります。ただ、ネット情報だけでは十分な面接対策とはいえません。

そこで、ライバルに差をつける最も有効な方法は「会社見学」です。新卒はもちろん、中途採用であっても応募者向けに会社見学や職場見学を実施している求人はあります。

例えば以下は、精密機器メーカーの障害者雇用・正社員求人の応募方法欄です。

このように職場見学が可能であるという記載は求人には多いです。ただ、こうした記載がなくても、自分から申し込めば見学可能な会社は多いです。

このため職場見学で会社の雰囲気や設備・施設を把握し、実際に自分が働く姿を想像することで、オリジナルの志望動機が完成します。

一方で職場見学を怠ると、以下のような浅はかな志望動機になります。

御社のスローガンが、「アットホーム」であることに魅力を感じています。私も「会社の仲間は家族」という気持ちで和気あいあいとした雰囲気の職場であれば、やりがいをもって仕事ができると思い御社を志望しました。

こうした社風や企業理念を志望動機にする障害者は多いです。ただ実体験が伴わない志望動機では、採用側の気持ちを揺さぶることができません。

一方で会社見学を行えば、以下のような志望動機を述べることができます。

御社を見学で、工場の検品ラインと総務部で業務指示の場面がありました。このとき上司の方々がとても丁寧な言葉遣いをされていたことが印象的でした。

どのような部署や立場であっても、こうした同僚を尊重する御社であれば、私もやりがいをもって仕事ができると思い御社を志望しました。

このように会社見学によって、ありきたりではない自分だけの志望動機を作り上げることができます。

他にも、会社見学によって積極性をアピールできます。採用が決まった後の実務では、こうした行動力が重要になるからです。そして、その行動力が採用面接では大きく評価されます。

志望動機が定まらない障害者は、まず行動しましょう。会社見学では、求人票ではみえないものがたくさん見えてくるはずです。

こうして実際に見聞きした志望動機が迫力のあるオリジナルの志望動機を生み、ライバルに差をつけることができることを理解して就職・転職活動を進めましょう。

・求人票で「求める人材」を把握して自己の強み活かす志望動機

ただ、就職・転職の希望先へ実際に会社見学を行うことが難しい場合は多いです。

こうしたとき、志望する会社の求人から「求める人材」を把握するといいです。そうして採用側が求めている人材と自己分析で得られた過去の経験に裏付けされた強みを結び付けて志望動機にしましょう

そうすれば、採用側と自分の強みがマッチしていることを理解してもらい、採用側に好印象を残すことができます。

例えば以下は、物流会社の障害者採用・正社員求人です。

この求人の求める人材は、「手順に沿って正確に作業できること」となっています。つまりマニュアルに沿って、コツコツと作業をする根気強さが求められます。

このとき、志望動機は以下のようになります。

私は自閉症スペクトラム症ですが、その特性を活かして繰り返しの作業が得意です。私はデスクワークよりも動き回ることや、決められた作業に無心になって没頭することが好きです。

前職はビル清掃の仕事をしていましたが、作業手順は決められていました。私が担当していたビルは他社と競合していましたが、私が担当するではフロアでは他社に負けたくありませんでした。そこで集中力を発揮して基本をおろそかにすることなくコツコツと業務に取り組んで利用者から好評をいただき、クライアントにとても喜ばれたことがあります。

御社でも手順をしっかりマスターして、素早く正確な作業で貢献したいです。

このように求人で求められる人材を正確に把握して、その内容に沿って自分の強みや経験に合わせて志望動機を述べるといいです。

そうすれば採用側の思惑と、自分自身の強みが一致して採用側に好印象を残し就職・転職で成功することができます。

必ず聞かれる前職の退職理由をポジティブな志望動機に転換する

面接では前職の退職理由を必ず質問されます。このとき採用側は、採用後のリスクを考えています。つまり、あなたが前職でトラブルを起こして退職したのであれば、採用後に同じようなトラブルを起こすのではないかと不安を持つからです。

このとき、前職の退職理由が人間関係のトラブルだったことが事実としても、それを正直に答える必要はありません。正直に答えたからといって、面接官に「この人は正直な人だ」「信頼できる」と思って採用されることはないからです。

このため、面接官に「この人を採用しても安心だ」と思ってもらえる必要があります。

ただ、ウソをつくのは避けた方がいいのです。そこで退職した経緯はマイナスの側面を触れず、積極的なプラスの側面をアピールすることが重要です。採用側は障害者雇用であっても、トラブルのない安心な人材を優先的に採用しようとするからです。

例えば回答例は、以下の通りです。

前職を退職した理由は障害により、仕事や人間関係で精神的につらくなったからです。

私は前職は事務職をしていました。障害者雇用枠がなく発達障害を伏せていたため、上司からのあいまいな指示や電話対応、複数の作業を同時にこなすマルチタスクが苦手でした。

ただ「書面の業務指示」など障害に対する理解や配慮があれば、強みを活かして貢献できます。

私はエクセルやパワーポイントによる資料作成は、だれよりも素早く期限内に作成できます。また簡単なプログラミングであれば、ホームページの維持・管理もできます。

このため障害者雇用で配慮を受けながら強みを活かし、御社の効率的な事務に貢献したいと考え志望しました。

このように前職の退職理由はマイナス面は軽く触れるだけにしましょう。そうして結論を転職がキャリア形成や会社への貢献にプラスになることを強調してネガティブな退職理由を力強い志望動機に変えて就職・転職を成功させましょう。

面接で失敗しないために必要な準備と心構え

面接にあたっては、だれでも緊張します。適度な緊張であればパフォーマンスも上がりますが、過度な緊張は固く暗い印象や、頼りない印象を与えてしまいます。

また動作や話し方がぎこちなくなったり、普段はしないような不用意なことを言ってしまったりすることもあります。

こうした失敗を防ぐためには、面接を受ける前に以下のような準備と心構えをしておきましょう。

支援員や転職エージェントの付き添い・同行

就労支援を受けていた人が面接を受けるときは多くの場合、事業所の支援員が面接に付き添ってもらえます。また転職サイトを利用して転職しようとする障害者にも、エージェントが同行してくれる場合があります。

支援員や転職エージェントが面接同行することは大きなメリットとなります。

  • 面接に臨むときの緊張感が和らぐ
  • 求人内容をその場で確認することで、求人先と年収・勤務条件が交渉できる

以下で、メリットとなる理由を解説します。

・面接に臨むときの緊張感が和らぐ

求人先の面接へ1人で向かうときは、緊張するのが普通です。このとき、面接同行してくれる就労支援サービスや転職エージェントであれば、面接のときに適切なアドバイスをしてくれます。

例えば、実際に私が転職サイトを活用したときは私との面接同行のだけのために、当時の私が住んでいた九州へわざわざその転職サイトは出向いてくれました。

面接同行では、面接会場へ向かうときや待合室で面接を待つときの不安や孤独感がまぎれるだけでなく、多くのアドバイスを受けることができます。こうした味方は、就職や転職をしようとする障害者には心強いです。

メンタルを落ち着かせ、最高の状態で面接に臨むためには、必ず転職エージェントなどの同行をお願いしましょう。

・面接の場で年収・勤務条件を求人先と交渉できる

面接で、就労支援サービスの支援員や転職サイトのコンサルタントが同行する最大のメリットは、年収や労働条件の交渉を面接の場で話せる点です。

障害への配慮だけでなく給料や休みなどの勤務条件は、障害者であれば誰でも気になります。ただ、面接の場で自分から直接聞くのはどうしても気が引けるのが普通です。

このとき、あらかじめ支援員や転職エージェントに「面接時に聞いて欲しい勤務条件」を伝えておくのです。例えば、以下のような項目です。

  • 求人票では年収350~400万円となっているが、残業してもいいので年収400万円以上は可能か
  • 通勤手当や住宅手当はどこまで支給されるのか
  • 症状によって通院日数が増えたとき、時短勤務や時差出勤はどこまで認めてくれるか

こうした条件面の交渉は、面接同行があれば支援員やコンサルタントが求人先に切り出してくれます。あなたから聞きにくいことを切り出すことはないため、違和感無く話を進めることができます。

年収や労働時間などを後で決めてもいいですが、面接の場で条件面を決定しておく方が採用後も安心だしスムーズです。

このように、面接同行が可能な場合は転職エージェントなどを活用して年収や勤務条件の交渉を行いましょう。

逆質問でも自己PRするために自分の強みが活かせるかどうかを質問する

面接の最後では面接官から「何か質問はありますか」と聞かれることが多いです。うわゆる「逆質問」です。このとき、必ず何か質問をしましょう。「特にありません」と答えるのは一見無難なようにもみえますが、自分をアピールする上でマイナスだからです。

ただ、いくら逆質問がアピールになるからといっても、なんでもいいから質問すればいいというものではありません。不用意な質問はマイナスの印象を受けるからです。

悪い例としては、「今後の事業展開は、どのような予定でしょうか」「御社で必要とされる資格は、どのようなものがありますか」などです。

このように、自分で少し調べればわかるような質問は避けた方がいいです。

それでは質問内容のポイントはどのようなものでしょうか。それは、「自己PRのための逆質問をする」ということです。

例えば以下のような質問をすれば、採用側に好印象を与えます。

私は英語力を活かしたいです。御社で海外駐在員を目指すには、どのようなキャリアが必要ですか。

このように自分の強みが仕事に活かされるのかどうかを質問をすることは、単に疑問が解消されるだけでなく、違和感なく積極性を採用側にアピールできます。

他にも、次のような質問も可能です。

私は入社までに、できる限り準備しておきたいと考えています。私のように営業職を希望している場合、どのようなことをしておいた方がいいですか。

このように採用側が求めているスキルや、求めている人物像を尋ねつつ熱意をアピールすることもできます。

このため面接の準備では、無理やりでもいいので逆質問に備えて自分をアピールできる質問を準備しておきましょう。

障害者雇用が多い大手会社の事務職や公務員の面接対策

障害者雇用を行っている事業所や職種には、共通の特徴があります。障害者雇用を行う必要に迫られている会社と、そうでない会社に違いがあったり、障害者雇用を目的とする事業所があったりするからです。

障害者雇用を行っていることが多い会社・団体は、以下の通りです。

  • 大都市に本社のある大手会社
  • 官公庁
  • 大手会社の特例子会社
  • 就労支援サービス事業所(作業所)

障害者雇用を行っている会社や団体は、大都市に本社を置く大手会社や公務員が多いです。官公庁や一定規模以上の大手の会社では、法律で一定割合以上の障害者を雇用する義務があるからです。障害者雇用率が法定を下回ると、罰則が科せられます。

このため大手会社の場合、グループ傘下に障害者雇用を目的として特例子会社を設立していることがあります。特例子会社の障害者従業員は、グループ会社全体の障害者雇用率にカウントされるからです。

また障害者雇用は公務員だけでなく、大手会社でも事務職採用が大半です。スキルや専門性を求めた採用よりも、障害者を雇用する目的の場合が多いからです。

事務職や公務員の仕事であれば、営業や接客販売などに比べて精神的にも体力的にも負担が少なく、チームで競い合うのではなく補い合うことが重要です。

ただ公務員や大手会社は安定して長く働けるため、一般枠に限らず障がい者採用枠であっても競争率が高くライバルがひしめいています。

このため高い採用基準をクリアして就職・転職を成功させるには、特に面接対策が重要です。そこで採用側がどのような人材を求めているのかを理解し、面接でどのような点をアピールすればよいかポイントとなります。

このとき求人票をみれば、採用側がどのような人材を求めているのかがわかります。

例えば以下は、大手広告代理店の特例子会社の障害者採用・正社員求人です。

大手会社の障害者雇用に多い事務職求人です。この会社の特徴は以下の通りです。

障害者雇用を目的に設立されているため、施設や働き方について、配慮が行き届いていることがわかります。

なお、この求人の求める人材は以下の通りです。

このように障害者雇用であっても事務職に求められるソーシャルスキルは、公務員や大手会社の一般枠と変わりません。

障害者雇用の事務職に求められる人材は、この求人のように以下の人材を求められます。

  • 与えられた仕事を責任感をもって、正確に取り組むことができること
  • 多種多様な仕事を、周りとコミュニケーションをとりながら仕事ができること

事務職ではこのような正確な事務と、協調性が求められます。そこで事務職の面接対策は、自己PRで以下のような志望動機でアピールするといいです。

私は、コミュニケーションを通じて仕事をやり遂げることが得意です。学生時代だけでなく前職であっても、仲間や上司・同僚と意見を交わしあい、認識を共有しながら仕事をする過程が好きからです。

前職は総務課で、事務合理化を推進する仕事に携わってきました。このとき、社内の様々な意見を集約・検討しながら省力化を実行する作業に没頭しました。こうして、社内の相違する意見を調整することで、私の強みであるチームの調整力を磨くことができました。

このように私は、他部門とコミュニケーションをとりながら仕事をすることにやりがいを感じます。このため御社で、事務を通じて部門の垣根を超えたコミュニケーションを活性化させながら活躍したいです。

このように障害者雇用が多い事務職の面接では、誠実な人柄と、周りと協力して粘り強く仕事を進めることができることをアピールしましょう。

そうすれば事務職に特化した自己PRをすることができます。そして採用側に印象が残る志望動機にすることができます。

就労継続支援事業所(作業所)の面接対策

障害者雇用を実施しているのは一般的な会社だけではありません。障害者雇用を実施しているのは、障害者の就労を福祉サービスとして支援する就労継続支援事業所があります。こうした事業所は、作業所とも呼ばれています。

就労継続支援事業所にはA型とB型があります。これらの事業所の目的は、障害者が長期的な就労ができるようにスキル習得を支援するという点は同じです。

なおA型は一般的な会社と同じように雇用契約を結び生産・サービス活動を行います。一方で、B型は雇用契約を結ばず、支援員による就労のためのスキル習得訓練に重点を置いています。このためA型は、B型に比べて障害度合いの低い障害者が働いています。

就労支援事業所であっても、採用面接が実施されます。就労支援事業所の面接の基本的な対策は、一般の会社の対策と変わりがありません。障害者を従業員として採用し、利益をあげて賃金を受け取る仕組みであるため、一般の会社と同じだからです。

ただ、一般的な会社の障害者採用との違いもあります。それは、作業所では支援員の指導を受けながら働くという福祉サービスの特徴を持っていることです。

このため採用面接では、就労に向けた前向きな意思と支援員の指導に対して素直に受け止めることができる誠実な人柄が重視されます。

例えば以下は、就労支援会社が運営する葬儀社の障害者採用・正社員求人です。

就労継続支援A型事業所の事務職の求人です。葬儀社の事務スタッフとして請求書作成や来客、電話応対など一般的な事務職と変わりありません。この求人会社の特徴は以下の通りです。

この求人は就労継続支援事業所であり、従業員の自立・社会復帰を目的とする福祉サービスです。

採用側は就労に向けた誠実な姿勢を持つ障害者を求めています。このため採用面接では、社会復帰に対する意気込みをアピールする必要があります。

このとき自己PR・志望動機は以下のようになります。

私は前職をうつで退職し、病院で社会不安障害と診断されました。このため1年ほど自宅療養をしていましたが、症状も緩和されたため障害者枠で社会復帰を目指しています。

ただ再就職にあたり、必要な対人関係などのソーシャルスキルを習得したいと考えています。また、体力を使うよりもデスクワークの方が集中して仕事ができます。

また自宅から自転車で通所できる距離なので、今回事務職を希望して応募しました。

このように仕事内容は一般的な会社の事務職と同じですが、事務処理を正確、丁寧にこなす能力以上に就労に向けたまじめな姿勢や取り組みの方が重視されます。

ただ福祉サービスといっても、あまりにも社会常識がないとみられれば面接に落ちたり不合格になったりすることもあります。面接では濃いグレーやネイビーなどの落ち着いた色のスーツを選び、社会人としてふさわしい服装で臨みましょう。

このように就労支援事業所の面接では、就労に対する前向きな姿勢をアピールしましょう。

まとめ

障害者の就職・転職活動で重要なのは面接対策です。面接で自己PRや志望動機をアピールするためには、自己分析シートを使ってきちんと自己分析をして、自分の強みや特性を把握しましょう。そうして、その裏付けとなる過去の経験を整理しておきましょう。

このときポイントは「会社にどのような貢献ができるのか」です。このため面接では、「障害に対する配慮があれば、どのような貢献ができるのか」を熱く語る必要があります。

また志望動機でライバルに差をつけるには、面接の前に職場見学をしておくことが最善です。会社見学で見聞きしたことを、志望動機に活かせるからです。また会社見学ができない場合であっても、求人票で「求める人材」を確認しておき、自分の強みで貢献できることをアピールすることが大切です。

また前職の退職理由を聞かれた場合は、自分のキャリア形成のために必要な転職であることを語り、ポジティブな転職理由にしましょう。

なお採用面接ではだれでも緊張します。このとき転職エージェントなどを利用しているのであれば、必ず担当者などに面接同行をしてもらいましょう。面接の緊張をほぐしてくれるだけでなく、給与や待遇など自分からは直接質問しづらい内容を確認してもらえるからです。

また障害者雇用の求人の多く事務職です。このとき面接対策では、事務職に必要となるマルチタスクやコミュニケーション力をアピールするようにしましょう。

なお福祉サービスである就労継続支援事業所であっても、面接は実施されます。このため作業所の面接では、作業所ではまじめに取り組み、将来は長期就労を目指す強い意気込みをアピールしましょう。

このように障害者雇用であっても、自分の強みがどのように会社に貢献できるのかが面接対策のポイントです。このため自己分析を丁寧に行って自分の強みを過去の経験に載せて語れるようにしましょう。そうして十分な面接対策をしてライバルに差をつけましょう。


障害者が就職・転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい障害への配慮や労働条件の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、障害者特有の事情説明や交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「障害に応じた求人情報が多いか、少ないか」「転職エージェントが障害の特性に理解があるか」「転職後のフォローが手厚いか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。