障害者の女性が就職や転職のとき、求人でどのような点に気を付けて選べばいいのでしょうか。

女性にも平等な雇用機会を提供する仕組みが制度化されて長い期間が経ちましたが、いまだに女性への理解や配慮が行き届いていないことがあります。日本の場合、現在でも世界に比べて男女平等が相当遅れているといわれているからです。

こうした中、障害者の女性は障害への配慮や理解にも注意しなければならないため、特に慎重な求人選びをする必要があります。

そこで以下では女性の障害者が就職・転職するとき、どのような点に着目して求人選びをすればいいのかを解説します。

女性にとって働きやすい職場の求人

私の知り合いの女性に大学卒業後、一般枠で就職していますが「勤務成績は自分の方が上なのに、男性が先に役職に就くのが当たり前なので、やってられない」と嘆いています。

男性中心の職場が多い中、女性の障害者にとっては障害以外にも「女性であること」に対する理解や配慮を受けることが必要です。ただ多様性を尊重した職場はまだ少なく、障害者だけでなく女性に対する理解や配慮すら足りていない職場が多いです。

こうした現状が一般的なことから障害者の女性は、障害者雇用で理解や配慮を得ながら無理せず働くことが大前提となります。そのうえで、女性にとって働きやすい条件が豊富な求人を選ぶ必要があります。

そこで以下では、女性が障害者雇用でどのような条件の求人を選べばよいのかみていきます。

働く女性のために充実した制度と育休後の復帰がしやすい求人

障害者の女性にとって最大のライフイベントは出産・育児です。このとき出産や育児休暇を取得することになります。

ただ、いまだに出産を機に退職を迫る職場も少なくありません。表立って迫る会社や、重要度の低い仕事ばかりに従事させるなど、暗に退職を求めて本人が辞める決意するのを待つ陰湿な会社も存在します。

こうした求人を選ばないようにするために、求人で特に注目すべき点は「育休からの復帰について明記されているかどうか」です。

例えば以下は、大手損害保険会社・子会社の障害者雇用・正社員求人です。

データ入力などの一般的な事務職の求人です。この求人の特徴は以下の通りです。

障害を持つ女性のキャリア全体をサポートする仕組みが整っており、障害者の女性の働きやすさを追求した求人です。

ここで着目するべき点は、育休からの復帰率は91.5%となっていることです。このことから、「産休後に退職を迫られる」といった時代遅れの職場とは無縁であり、女性にとって働きやすい職場であることがわかります。

また、女性専用の「キャリア相談窓口」や「キャリア研修」など、女性の活躍のための仕組みや制度が充実しています。

ただ残念ながら、こうした優れた求人は大手に限られており稀です。求人では「アットホームです」「女性が活躍しています」などの耳障りのいい言葉が並んびがちですが、人によって感じ方が違うこのような内容では実態がわかりません。

そこで障害者の女性が働きやすさを見極めるためには、この求人のように育休からの復帰率など「実際の数値」や、育休やキャリア育成など働く女性を支援する制度が存在しているのかをみて選びましょう。

休日の充実した求人で無理なく働く

結婚して家事・育児を担っている障害者の女性は多いです。多くの女性は育休から職場に復帰した後、保育園の送迎や子供の突然の病気の対応に追われます。ご主人のサポートがあったとしても働く障害者の女性には、充実した休日を選ぶことが必須となります。

また女性には、生理など女性特有の症状で月に1回の休暇が必要なこともあります。

特に障害者の場合、障害で通院のために休暇や時短勤務などの申し出をすることがあります。それに加えて女性特有の休暇も申請するとなれば、特に男性上司や同僚に対して気が引けます。

このとき障害者雇用の中には休日が充実しているだけでなく、女性特有の症状による休暇を制度として設けてある求人があります。

例えば以下は、IT系の会社の障害者雇用・正社員求人です。

障害者求人専門の大手転職サイトのIT系会社の求人です。この求人の休日・休暇欄は以下の通りです。

「祝日・土日週休2日」「夏季・年末年始休暇」「慶弔休暇」など充実しており、規則正しい生活と充実したプライベートが実現できる求人です。

この求人の特徴はエフ休と呼ばれる月1回の生理休暇があることです。

前述の通り女性特有の症状の休暇は申し出づらいです。

このとき、この求人のように生理休暇を制度化してあれば、申し出る相手に配慮や理解がない上司であっても、気兼ねなく申し出ることができるのがメリットです。

他にも、こうした休暇を制度化しているということは、働く女性を大切にしている会社の姿勢の表れです。このため安心して求人を選ぶことができます。

障害者の女性は就職・転職で無理なく働こうとするとき、この求人のように女性のための配慮が理解が、休日や福利厚生などで制度化されている優れた求人を選びましょう。

在宅勤務やフレックス勤務が充実した求人で仕事と家庭を両立させる

前述の通り、共働きであっても家事や育児の中心を障害者の女性が担っていることが多いです。このため、女性の障害者にとって働きやすい求人は、「柔軟な働き方ができること」が大切な条件のひとつです。

障害や女性特有の症状で体調が悪いときは休暇が必要ですが、子供の送迎や学校行事の参加など、短時間で済む用事は多いです。こうした短時間の用件のために休暇を取るのは気が引けるだけでなく、貴重な有給休暇の浪費に繋がりもったいないです。

このとき、障害者雇用の求人の中には、在宅勤務やフレックスタイム制の勤務を取り入れ、障害者の女性にとって働きやすい求人があります。

例えば以下は、大手商社の関連会社の障害者雇用・正社員求人です。

ビル管理会社の一般的な事務職求人です。この求人の特徴は以下の通りです。

コアタイムが「午前11時~午後3時」のフレックスタイムや週2回の在宅勤務となっています。また「育休、産休取得率100%」であり、女性の働きやすい職場であることが実際の数字で明らかです。

他にも週2回の在宅勤務を選ぶことができるため、子供が幼いときでも仕事をしながら育児に関わることができます。

こうした求人であれば、定時勤務・土日週休2日の規則正しい生活が送ることができます。また家事・育児だけでなく、障害に伴って必要な通院も無理なくできます。

このため女性の障害者が長く安定して働くとき、こうした柔軟な働き方が可能な求人で就職・転職を成功させましょう。

女性が多い業界の求人であれば安心して働ける

これまでは男性の中に一定数の女性が存在する職場の求人をみてきましたが、一方で女性の特性が活かせる仕事の職場は女性だけだったり、女性が大半だったりします。それは、医療や福祉・介護、教育などの業界の求人です。こうした職場であれば、女性が働きやすい環境や制度が整備されていることが普通です。

一方で働く女性の障害者にとって、自分以外に女性がいない環境は不安が大きいです。それは、たとえ働く女性への配慮や理解が行き届いている職場であっても同じです

女性の多い職場であれば安心を感じる女性の障害者は、多くの求人の中から障害や女性に対する理解や配慮の有無をチェックしながら自分に適した求人を探すため時間がかかります。

ただ一方で、もともと女性の多い業界の求人を探した方が早いケースもあります。

例えば以下は、大手美容クリニックの障害者雇用・正社員求人です。

全国展開する美容整形外科の看護師のサポート求人です。このクリニックの求人特徴の説明は以下の通りです。

美容クリニックの職場なので職場の大半が女性です。女性の同僚・先輩から仕事の指導を受けることになります。

ただ職場に女性が多い場合、「女性同士の確執」がデメリットととなり、醜いトラブルに巻き込まれやすい女性も実際にいます。

一方で、障害者の中には職場で男性が一緒だとぎこちなくなったり、気持ちが落ち着かなくなりがちな女性がいます。

このとき女性の職場は、この求人で記されている通り男性中心の職場よりも会話がはずんだり、和やかな雰囲気の職場が多いです。

男性と身近に働くことが苦手な女性の障害者は、こうした女性の多い業界の求人を選びましょう。

女性の平均勤務年数が長い求人で障害者でも安定して働く

ただ、職場に女性が多いからといって、その職場が必ずしも働きやすい職場であるとは限りません。

職員の入れ替わりが激しい場合、その求人は「男性中心の保守的な職場で働きづらい」「お局さんがいて働きづらい」など、いじめやパワハラ・セクハラが心配されます。

このとき求人の中で「離職率の低さ」や「女性の勤続平均年数の高さ」を数字で明らかにしていることがあります。

例えば以下は、大手製紙メーカーの障害者雇用・正社員求人です。

一般的な事務職の求人です。この会社には従業員の平均勤続年数が記されています。

この会社の女性の平均勤続年数が14年8か月となっています。厚生省のデータでは女性の平均勤続年数は8.9%といわれているため、この会社の女性従業員の離職率の低さが際立っています。

・国や自治体から「女性活躍推進企業」に認定された会社の求人

他にも女性の障害者にとって働きやすい求人の着眼点があります。

例えば以下は、大手システム開発会社の障害者雇用・正社員求人です。

システムエンジニアの障害者雇用求人です。この求人の特徴は以下の通りです。

この求人は、「女性の活躍推進」の取り組みが優秀な会社に対して厚生労働省から「えるぼし」を認定されています。

また子育てサポートへの取り組みにもっともすぐれた会社として「プラチナくるみん」が認定されています。他にも仕事と介護の両立に対する取り組みに優れていているため「トモニン」の認定を受けています。

このように、「女性の活躍」だけでなく、「子育て」「介護」という、女性が仕事と家庭を両立させるうえで必要となる配慮すべてに優れた評価がなされています。これら3つをすべて認定されて椅る会社は、きわめて少ないです。

さらに、この会社は女性の平均勤続年数を「11.3年」となっており、全国平均の8.9年を大きく上回っています。

求人では職場について「アットホーム・家庭的な雰囲気」「風通しがよい」「社内イベントが多くて仲が良い」などのきれいな言葉が並ぶことが普通ですが、これらは人の感じ方によって様々です。

ただ求人に虚偽の数字や実績を記すことができません。

このため、これらの求人のように平均勤務年数などの実数を明示したり、公的な認証・認定を明らかにしたりして、客観的にわかる会社の求人を選びましょう。

女性管理職比率が高い求人でキャリアアップ

障害者の女性の中には、働きやすい環境だけでなく管理職などキャリアアップも求める障害者がいます。

ただ女性の社会進出が国際的にみて下位の日本では、女性のキャリアアップは並大抵の能力と気力を必要とします。

こうした中、国内であっても大手であれば、女性の活躍推進を支援する意識の高い会社が存在します。

例えば以下は、障害者求人サイトに出ている障害者雇用・正社員求人です。

社名非公開求人の事務職求人です。配属はこれまでのスキルや経験で決定します。

この求人の特徴は女性管理職の割合の実数を記していることです。この会社の女性管理職は25%であり、全国平均は8.9%といわれているためかなり高いです。
管理職は対人力以外に決断力やリーダーシップ、人間的な魅力など努力だけでは得られない素養が必要です。このため障害者の中でも精神や知的障害者には困難なケースが多く、実際に女性で管理職を実現している障害者は少ないです。

ただ女性でも、明確なキャリアプランを持った意欲的な障害者があれば、こうした求人にチャレンジしてみましょう。

男性中心の職場であっても女性歓迎の求人で選択幅を広げる

これまで女性にとって働きやすい業界の求人や、求人の条件をみてきましたが、これらの女性の障害者の求人は事務職が大半です。

ただ、精神障害者やうつなどの中には閉鎖的な室内の仕事や人間関係が嫌で、事務職が苦手な女性も多いです。

このとき、一般的に男性でなければ務まらないと思われる求人であっても、障害者の女性が応募可能な求人は存在します。

例えば以下は、大手警備会社の障害者雇用・正社員求人です。

施設内外を警戒する警備員の求人です。警備員の仕事であるため、巡回・点検が主な仕事ですが、施設警備は来館者の受付や落とし物の管理などの業務も重要です。この求人の特徴は、以下の通りです。

この求人内容にも記されている通り、施設警備は接客・サービス業のように「建物の顔」として来館・来所者と接します。このため一般的に男性よりも共感力やコミュニケーション力に優れている女性の方が活躍できるシーンが多いです。

また笑顔で和やかに人と接するスキルは、女性の方が優れています。このため女性の障害者であっても、対人力が人並み以上であれば重宝されるのが普通です。
立ち仕事やノルマがある接客販売が苦手障害者であっても、人と接することは好きな女性は多いです。こうした障害者には、この求人のような仕事が適しています。

このように男性中心の業界や職場であっても、女性が重宝される職場は意外に多いことを理解しておきましょう。

そうして、こうした求人で選択幅を広げ、自分にもっとも適した求人を選び就職・転職を成功させましょう。

まとめ

女性にとって働きやすい職場の特徴は、働く女性を支援する充実した制度があることです。その一つとして、出産・育休後の復帰がしやすいことがあげられます。また育児では充実した休日や、在宅勤務・フレックス勤務の求人で仕事と家庭の両立を目指すこともできます。

こうした環境で働くためには多くの求人の様々な条件を検討する必要がありますが他にも、女性の多い業界を選ぶ方が早い場合もあります。

このとき、求人にありがちな「アットホーム」「多数の女性が活躍」などのような言葉にひかれるのではなく、女性の平均勤続年数や離職率などの実数や、実際に休暇の取得しやいように制度として存在するのかを見極める必要があります。

一方で働きやすさと併せてキャリアアップをねらう場合、女性管理職の比率が高い求人を選ぶようにしましょう。このときも女性の管理職比率が実数で記されていることが重要です。

また警備員のように一般的に男性の業界とみられる場合であっても、女性を歓迎する求人があります。こうした求人も視野にいれることで、求人の幅を広げることができます。

このように女性の障害者は、障害への配慮や理解の他に女性に必要な配慮や理解のある求人を見極めなければならず大変です。このため将来のキャリアや、障害の特性と受けたい配慮を整理して、どのような求人を選ぶと最適かを考えて就職・転職をしましょう。


障害者が就職・転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい障害への配慮や労働条件の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、障害者特有の事情説明や交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「障害に応じた求人情報が多いか、少ないか」「転職エージェントが障害の特性に理解があるか」「転職後のフォローが手厚いか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。