視覚障害者を中心に障害者のマッサージ師は多いです。治療として施術するマッサージ求人は、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師が必須です。また鍼・灸の資格があれば、有利に就職・転職ができます。こうした、あん摩・マッサージ、はり、きゅうの仕事の総称して「あはき業」といわれる職種は、視覚障害者が長年担ってきた歴史があります。
ただ、近年は健常者のマッサージ師が増えたり、資格が不要のリラクゼーションなどの癒し系の店舗が増えたりしており、雇用情勢が変化しています。
またマッサージ求人は、病院などの施設内のマッサージや訪問マッサージなど様々なので、勤務先によって働き方が違います。
このように求人内容の特徴をきちんと理解しておかなければ、障害者がマッサージの求人で就職・転職するときに成功できません。そこで以下では、障害者雇用のマッサージの求人についてみていきます。
もくじ
障害者雇用のマッサージ求人の働き方
障害者雇用のマッサージ求人は、応募資格はあん摩マッサージ指圧師の国家資格が必須条件です。ただ、年齢や経験に条件はありません。また、出勤・退社の送迎があるなどの配慮があります。
他にも1日の施術数・1回あたりの施術時間などの仕事量は、だいたい共通しています。例えば以下は、訪問マッサージの障害者雇用・正職員求人です。
仕事負担については1日あたり施術数が10名前後、ひとりあたり20分の施術時間となっています。また、この求人の勤務時間は以下の通りです。
勤務時間は「午前9時から午後0時まで」と「午後1時から午後6時まで」の定時勤務です。件数が午前と午後の合計で8~12件であることから、1時間当たり1~2件の施術です。
このように訪問マッサージ求人では、勤務時間は定時です。また、仕事の負担は施術が1日10件くらい、1回につき20~30分くらいです。
定時の規則正しい勤務ですが、仕事量は施術時間と移動時間を合わせると、ゆとりの少ないです。
出勤・退社の送迎をしてもらえる求人が多い
マッサージ師は明治時代以前から長年、視覚障害者の働き口として守られてきました。現在も養成学校の乱立を防ぐために、新規学校の設立が実質的に規制されています。
ただ視覚障害者は、他の障害者以上に必要な配慮が多いです。例えば視覚障害者は車の運転ができないことが多く、訪問マッサージでは一人で施術先に向かうことができません。このため訪問マッサージの求人では、視覚障害者のためにドライバーがつく求人が大半です。
例えば以下は、訪問マッサージの会社の障害者雇用・正社員求人です。
この求人では、在宅の顧客のもとへ施術に向かうときはドライバーが付きます。また、業務だけでなく出社・退社時にもドライバーが送迎してくれます。
ほかにも拡大鏡や文章読み上げツールなど、視覚障害者が業務をする上で欠かせない必要な機器の整備など、多くの配慮がなされていることが普通です。
このように訪問マッサージ求人は視覚障害者のための多くの配慮があり、どの求人でもドライバーが付くなど、利便性と安全性に対する配慮があります。このためマッサージ求人の多くは、重度の視覚障害者でも安心して応募できます。
マッサージ求人では鍼・灸師の資格があれば有利
マッサージ関連の国家資格には、あん摩マッサージ指圧師の他にも鍼師や灸師の資格があります。マッサージ求人では前述の通り、あん摩マッサージ指圧師の資格が必須ですが、はり師・灸師の資格がある障害者には需要が多く、就職・転職で有利です。
例えば以下は、訪問マッサージの会社の障害者雇用・正社員求人です。
応募資格で、あん摩マッサージ指圧師の資格は必須となっていますが、その他はり師や灸師の資格を持っておくと優遇されます。これら3つの資格を持つ人は「針灸マッサージ師」もしくは「三療師」と呼ばれます。
大学・短大、専門学校のあん摩マッサージ指圧師養成校には、はり師ときゅう師の受験資格を同時に取得できることが多く、これらの3つの資格を持つ障害者は多いです。
このため鍼灸マッサージ師の障害者であれば、多くの求人の中から応募資格で優遇される求人を選び、有利に就職・転職をしましょう。
リラクゼーション求人であればマッサージの国家資格不要
一方でマッサージ求人には、鍼灸マッサージのような一般的な治療の施術ではなく、セラピストとしてマッサージなどを行うリラクゼーション求人があります。こうした落ち着いた雰囲気のおしゃれなサロンで施術し、安らぎと癒しを提供するリラクゼーション求人に魅力を感じている障害者は多いです。
リラクゼーション求人のメリットは、鍼灸マッサージ師の求人と違って国家資格が不要であることです。例えば以下は、整体サロンの障害者雇用・正社員求人です。
ボディセラピーやフットセラピーなどの施術を行うマッサージ求人です。来店客から症状を聞き取り、施術後はお茶のサービスで談笑しながら次回の来店予約を取り付けます。また、施術以外にも顧客情報の入力やベッドメイク・掃除などの雑用も必要です。
このようにリラクゼーション求人では、施術だけでなく癒しを感じてもらえるようなコミュニケーション・カウンセリング能力などの接客スキルが重要です。このため、対人力の高い障害者でなければ適していません。
また、この求人の応募条件は、以下の通りです。
鍼灸マッサージ師と違って免許・資格は不要であり、高卒以上であれば誰でも応募できます。このように利用客の治療ではなく、心身を癒すことが目的のリラクゼーション求人は、無資格・未経験OKの求人が普通です。
なお、この求人の勤務・休日内容は以下の通りです。
勤務・休日ともにシフト制となっています。来店・利用客の目的が治療ではなく癒しであるため、一般の人の勤務時間外や休日に合わせた勤務となっています。
リラクゼーション求人では、マッサージ師と同じようにマッサージによる施術を行いますが、マッサージ師と違って鍼灸マッサージの資格やスキルがなくても応募できます。
ただ、癒しを求めて来店する一般的な仕事をする人が利用客であるため、休みや勤務時間は不規則なシフト制です。
このようにリラクセーション求人は施術スキル以外に接客力対人力が必要ですが、マッサージの資格を持たない障害者でもセラピストとして応募できます。このためマッサージ関連が無資格の障害者は、こうしたメリットを活かして求人選びをしましょう。
障害や経歴に合わせて選べるマッサージ求人
このようにマッサージの障害者雇用求人では前述の通り、施術者に視覚障害者が多いため職場や働き方に配慮があり、資格が多ければ就職・転職で有利です。
ただ、マッサージ求人で就職・転職しようとする障害者は、経験が浅かったり長いブランクがあったりする場合があります。また一方で、多くの資格と豊富な経験を活かしたいと障害者もいます。
以下で、こうした様々な実務経験や多くの資格を持つ障害者に適した求人は、どのようなものがあるのかをみていきます。
未経験やブランクが長くても応募できる研修の充実した求人
マッサージ求人で就職・転職しようとする障害者の中には、あん摩マッサージ指圧師の資格を持っていても実務未経験だったり、長い休職期間を経て職場復帰をしようとしたりする人がいます。こうした障害者は、実務に自信がなくて戸惑います。
このときマッサージ求人の中には、実務に不安のある障害者のために、研修を充実させている求人があります。
例えば以下は、訪問マッサージの会社の障害者雇用・正社員求人です。
この求人では訪問マッサージ未経験者であっても、施術のときに行うリハビリなどを研修で身に付けることができます。
このように障害者雇用の求人には、採用後の研修を充実させて業務に必要なスキルを習得できる求人があります。実務経験の浅い障害者は、こうした研修の充実した求人を選んで就職転職するようにしましょう。
土日休の求人で仕事とプライベートを両立させる
マッサージ求人は、高齢者宅や高齢者・障害者施設への訪問マッサージが中心です。このため勤務時間は、利用者の日常生活に合わせて日中が中心の定時勤務です。このため障害者雇用のマッサージ求人では、勤務終了が夜間になることはなく、残業が少ないです。
ただ土曜日や日曜日は利用者のニーズが多いです。このため休日は週休2日でも交代による休日のため、平日が休日になることが普通です。
例えば以下は、病院の障害者雇用正職員求人です。
週休2日のうち日曜・祝日は固定休ですが、それ以外の休日は平日となっています。このように障害者雇用のマッサージ求人では、平日の休日が多いことを理解しておきましょう。
ただ、家庭やプライべートの充実を考えて、土日週休2日を望む障害者も多いです。このとき障害者雇用のマッサージ求人には、土日が休日となる求人があります。
例えば以下は、訪問マッサージの障害者雇用・正社員求人です。
休日は、土日週休2日となっています。マッサージ求人では平日のみの営業となっている事業所があるため、こうした事業所の求人では、土日が完全週休2日となります。
このように家庭の都合やプライベートで土日に休みが必要な障害者は、マッサージ求人でも土日完全週休2日の求人も選ぶことができます。
施設内マッサージの求人であれば視覚障害者でも負担なく安心して働ける
これまで見てきた求人の大半は訪問マッサージですが、障害者雇用の求人では訪問マッサージだけでなく施設内で行うマッサージの求人もあります。
施設内のマッサージ求人であれば、訪問マッサージと違って利用者の自宅や利用契約している施設へ移動する負担がありません。例えば以下は訪問マッサージの会社であっても、施設内で施術する障害者雇用・正社員求人です。
会社がマッサージの契約をしている介護施設に派遣されて施設内に常駐し、専任マッサージ師として勤務します。訪問マッサージのような移動がないため、視覚障害者や身体障害者の施術者にとっては相当負担が軽減されます。
訪問マッサージでは利用者宅に1日10件ほど移動しながら施術することが普通であり、障害者にとっては負担となります。また訪問マッサージでは移動時や移動のときの車の乗り降りが多く、交通事故や転倒などの危険や不安が付きまといます。
このため、できるだけ障害に負担にならないように安全・安心に働きたいと考えている障害者は、こうした施設内マッサージの求人を選び、安心して働けるようにしましょう。
女性客の多い求人であれば訪問マッサージの女性でも安心して働ける
障害者雇用のマッサージ求人の大半を占める訪問マッサージは、利用者宅へ訪問してそこで施術を行うため、障害者のうち女性や視覚障害者にとっては、「何か、トラブルに遭うのではないか」という不安があります。
このとき、訪問マッサージの求人にも、安心して働くことができる求人があります。例えば以下は、訪問マッサージの障害者雇用正社員求人です。
この求人は、利用者の大半が女性の求人です。また訪問先にはドライバーも一緒に訪問するため、視覚障害者や女性でも安心して働くことが出来ます。
このように訪問マッサージでは、利用者とのトラブルに不安のある施術者は多いです。また利用者とのトラブルは施術のトラブルに限らず、利用料金の未払いなど金銭トラブルもまれにあります。
女性の障害者でこうした不安があるときは、この求人のように安心して働ける環境や配慮のある求人を選び、就職や転職を成功させましょう。
昇給・賞与のある求人で長く安定して働く
障害者雇用のマッサージ求人の月給は、一般的な会社の事務職よりもやや高いです。求人の月給は、約20万円からのスタートが多いので、就職や転職したばかりの若いうちであれば十分です。
ただ、マッサージの障害者雇用求人には昇給や賞与のない求人が多いです。このため、いつまでたっても同じ給与のままであり、長く勤めることができません。
このとき、マッサージ求人の中には昇給や賞与のある求人もあります。例えば以下は訪問マッサージの会社の障害者雇用正社員求人です。
ひと月あたり5000円までの昇給があります。また、約1ヶ月分ですが、わずかながら賞与が支給されます。 一般の大手の会社に比べれば少ないですが、昇給や賞与がない求人が多い障害者雇用のマッサージ求人の中では恵まれています。
昇給や賞与のない会社では、スキルアップしても昇給に定めがありません。このため経営者側の思惑で給与が決定しがちであり、これでは納得して長く働くことはできません。
このためマッサージ求人で長く安定して働きたいと考えている障害者は、こうした賞与や昇給のある求人を選び、就職転職で成功させましょう。
まとめ
障害者雇用のマッサージ求人は訪問マッサージが大半です。マッサージ求人の仕事量は、訪問時間を含めれば忙しいです。
ただ、マッサージ師は視覚障害者が多いため、業務だけでなく通勤・帰宅も送迎してもらえるなどの配慮があります。また、マッサージ求人ではあん摩マッサージ指圧師の国家資格は必須ですが、それ以外に鍼灸師の資格があれば有利になります。
なお、同じマッサージでもリラクゼーションの求人であれば、鍼灸マッサージ師の資格がなくても応募できます。ただ不規則なシフト勤務であり、業務では施術だけでなく高い接客力が必須です。
また、マッサージ求人の中にはいくつか特徴のある求人もあります。それは実務が浅い研修が充実していたり、土日完全週休2日の休日が充実したりしている求人です。
他にも訪問マッサージでは女性客の多い求人もあり、女性や視覚障害者でも安心です。また、昇給や賞与のある求人があるため長く安定して働きたい障害者適しています。
このように障害者雇用のマッサージ・リラクゼーション求人の特徴は様々です。自分がマッサージやリラクゼーション求人で資格や経験をどう活かしたいのか、また、どのような働き方をしたいかのかをよく整理して求人選びをしましょう。
障害者が就職・転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい障害への配慮や労働条件の交渉もすべて自分でやらなければなりません。
一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、障害者特有の事情説明や交渉もあなたの代わりに行ってくれます。
ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「障害に応じた求人情報が多いか、少ないか」「転職エージェントが障害の特性に理解があるか」「転職後のフォローが手厚いか」などの違いがあります。
これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。