将来について不安を感じていませんか?うつによる精神障害者が医師の許可をとって転職するとき、「正社員として働きたい」「社会に貢献したい」という気持ちと、「うつ病の症状が再発したらどうしよう」という不安が入り混じり、一歩を踏み出せないでいるかもしれません。
でも、大丈夫!諦める必要はありません。障害者雇用の求人で、うつと向き合いながら正社員として働くことは可能です。
ここではうつを経験した人が希望を持って未来へ進むためのヒントが見つかるはずです。ぜひ、最後まで読んでみてください。
もくじ
うつ病でも正社員になれる?うつが障害者雇用求人で転職するメリット
うつ病は再発しやすい病気です。もし、今の職場環境が原因でうつ病が悪化していると感じているなら、転職は有効な手段の一つです。
・転職で得られるメリット
- 再発リスクの減少
- 仕事の成果向上
- 障害者雇用枠の活用
自分に合った仕事環境で働くことで、ストレスを減らし、再発を防ぐことができます。転職は、うつ病克服に向けた大きな一歩になる可能性があります。また自分の能力や適性に合った仕事に就くことで、能力を発揮しやすくなり、成果を上げられる可能性があります。
このとき障害者手帳を取得すれば、求人数が増加している障害者雇用枠での就職も選択肢になります。手帳取得の方法は、後で詳しく説明します。
自分の状況とニーズに合う仕事を見つけることで、再発リスクを減らし、仕事の成果を上げられる可能性を高めましょう。
うつの人が障害者雇用で転職するメリットは以下の3つです。
会社は法律で決められた割合で、障害者を雇用する必要があります。これが法定雇用率です。もし、企業がこの割合を満たしていない場合は、ペナルティを受けてしまう可能性があります。そのため、多くの企業は障害者雇用枠という特別な枠を設けて、障害者を積極的に採用しています。
障害者雇用枠は、うつ病など精神障害者にとって働きやすい環境が整っていることが多いです。
- 長時間労働の制限
- 休暇取得しやすい
- 理解のある上司や同僚
- 職場環境の配慮
さらに、雇用率が定められているのは、従業員数が一定規模以上の大企業です。大企業は一般的に、中小企業よりも安定しており、福利厚生も充実しています。
つまり、障害者雇用枠を活用すれば、うつ病を抱えながらでも、安定した収入を得られる可能性が高いと言えます。
もし、うつ病で転職を考えている方は、ぜひ障害者雇用枠を活用することを検討してみてください。
障害者雇用のデメリット
ただ、障害者雇用には当然デメリットがあります。障害者雇用のデメリットや注意点は、以下のようなものが挙げられます。
障害者雇用は、健常者と比べて必要なスキルや経験が少ない求人が多い一方、給与や昇進において不利になる場合もあります。また、求人数も一般枠よりも少なく、自分に合う仕事を見つけにくいこともあります。
企業によっては、社会貢献よりも法定雇用率を満たすために求人を出している場合もあります。転職前にこれらのデメリットを理解しておくことで、後悔を防ぐことができます。
うつ病でも働ける職種と企業選び
一方で障害者雇用だからこそ、うつを抱える人に適している求人があります。また、職場でうつに対して配慮がある仕事を見つけることができます。
うつ病の人が仕事を選ぶ際には、精神的な負担が少ないことが最も重要です。特に、人間関係のストレスは避けたいものです。自宅でできる仕事は、人間関係のストレスが少なく、うつ病の人にとって最適な選択肢の一つです。
具体的には、以下のような仕事が挙げられます。
- データ入力
- ライティング
- プログラミング
- デザイン
これらの仕事は、場所や時間に縛られないというメリットもあります。自分の体調に合わせて、無理なく働けることが大切です。
例えば以下は、鉄鋼メーカーの関連会社の障害者雇用・正社員求人です。
この求人は主にデータ入力の求人です。他の雑用もありますが軽微な内容であり、電話の取次ぎも必ずしも必須ではない配慮があります。
この求人の特徴欄は以下のとおりです。
この求人のようにデータ入力であれば、高いスキルや経験がなくてもできる仕事が多いです。データ入力は、うつ病の人が仕事復帰する最初の一歩として最適です。
ただし、パソコンで文字入力さえできれば誰でもできるので、収入は低くなりがちでありことは注意しておきましょう。
このように在宅勤務可能など、場所や時間に縛られず、無理なく働けることが重要であることを念頭に求人を選びましょう。
うつに優しい職場を見つけよう
うつ病を抱えながらでも働きやすい、「うつに優しい職場環境」の求人があります。うつを抱える人にとって転職は、症状の悪化が最も懸念されます。そうした心配は、以下のような職場であれば安心です。
- 業務量や勤務時間、出勤日数などを調整できる
- 在宅勤務やテレワークなど、リモートワーク制度がある
- 休憩やリフレッシュのための時間を取りやすい
こうした配慮のある求人は、障害者雇用には多いです。例えば以下は、資産運用会社の障害者雇用・正社員求人です。
資産運用会社のオープンポジションの求人です。オープンポジションなので採用後、スキルや経験に応じて職場が決定します。この求人の特徴は以下の通りです。
有給休暇とは別に体調不良などで傷病休暇を取ることができます。こうした求人であれば、心身の調子に合わせて働くことができます。
うつ病の人が働きやすい環境は、心身に負担をかけないことです。転職を考える際には、このような環境があるかどうかを確認することを重視して求人を選びましょう。
ストレスを軽減する職場環境
うつになる原因は、職場でのストレスですが、そのストレスを減らす方法はいろいろあります。例えば、障害者雇用の場合、次のような取り組みがあります。
- 過度な残業や休日出勤をしない
- ハラスメントやパワーハラスメントを防止する仕組みがある
無理な働き方は、障害者にとって心を壊す原因になります。だから、そうした働き方を抑制することも大切です。
また、心を壊す原因は人間関係にもあります。仕事でのストレスが少なくても、仲間や上司が理解してくれなければ、またうつが再発してしまいます。
こうしたとき、メンタルの健康について従業員が意識が高ければ、うつを考慮した働き方の支援を受けられます。
例えば以下は、大手自動車メーカーの障害者雇用・正社員求人です。
この求人は人事システムの修繕などパソコンを使った作業が主な仕事です。この求人の特徴欄は以下の通りです。
各会社では、ハラスメントに関するトレーニングが行われています。最近では、ハラスメントに対する対策が広まっていますが、実際には具体的な取り組みが不足している場合が多いです。
しかし、この求人では、社員の研修で具体的な対策が行われています。こうした職場では、ハラスメントに対する意識が高い人たちと一緒に働くことができます。
ハラスメントに関する知識がまだまだ少ない人がいます。そこで、目に見えにくい問題に対処し、職場の雰囲気を良くする会社の姿勢は素晴らしいです。こうした会社を選ぶと、自分を大切にしてくれる環境で働くことができます。
メンタルサポートが整っている会社の求人
うつ病の原因のほとんどは人間関係に関係しています。職場で人々が良く話し合っていて、みんなが仲良しの場所が一番いいです。
でも、そんな素敵な職場はあまりないです。どんなにフレンドリーな職場でも、みんなと仲良くなれるわけではありません。実際、人間関係にはいくつかの問題があるのが普通です。
そんな時に、精神的な疲れをサポートしてくれる会社が障害者雇用で存在します。そういう会社の特徴は、メンタルヘルスのサポート体制が整っていることや、産業医やカウンセラーに相談できる窓口があることです。
こういう特徴を持つ求人は、障害者雇用の中でたくさん見つけることができます。
例えば以下は、大手IT会社の障害者雇用・正社員求人です。
この求人は総合職をはじめ様々な職種があります。この求人の特徴欄は以下の通りです。
この会社では、毎日のストレスチェックができるように保健師やカウンセラーがいて、メンタルヘルスの改善に取り組んでいます。メンタルヘルスを大切にする会社は珍しいです。
また、うつ病の人をサポートするプログラムがある会社もあります。こうした取り組みをしている会社は、メンタルヘルスを真剣に考えている証拠です。うつの人は、こうした求人を探して転職すると良いです。
うつに向いていない仕事とは?
障害者雇用の仕事でも、うつの人には向かない場合がありますので、注意が必要です。その職業の特徴は以下の通りです。
- プレッシャーや人間関係など、ストレスがたくさんある
- 仕事の時間やスケジュールがバラバラで、長時間働くことが普通
このような特徴を持つ障害者雇用の求人を具体的に見ていきましょう。
プレッシャーや対人関係などのストレスが多い営業職
ノルマや顧客対応は、うつ病の人にとって大きな負担になります。特に、成果報酬型の求人は、ノルマ達成へのプレッシャーが強く、精神的な負担が大きくなります。
例えば、以下は外国車のディーラーの障害者雇用の正社員求人です。
車販売の営業は、車を売れば売るほど給料がもらえる、魅力的な仕事です。しかし、うつ病の人にとっては、あまりおすすめできません。
なぜなら、以下のような理由があるからです。
- ストレスが大きい: いろんなことを同時にやるので、ストレスが大きくなる
- 目標達成のプレッシャー: 車を売るノルマを達成するために、常に頑張る必要
- 人とのやりとり: お客様と話す機会が多く、精神的に疲れることがある
うつ病の人は、これらのストレスやプレッシャーによって、病状が悪化する可能性があります。また、営業の仕事は、人と話すのが得意で、目標達成に向けて頑張れる人が向いています。
私も長い間営業職をしましたが、毎日プレッシャーとの戦いでした。元気なときは頑張れるけど、体調が悪いときは本当に辛かったです。ミスしたり、周りの人に怒ったりしてしまうことも多かったです。
以下は、私が勤務していた銀行の営業マンの様子です。バイクで営業活動に出発する様子です。
うつ病の人は、これらの力が弱っている場合が多いので、この仕事は避けたほうがいいでしょう。
不規則、長時間労働が常態化している職種
不規則な勤務時間や長時間働くことは、うつ病の人にとってとても危険です。特に、夜勤のある仕事は、うつ病の症状を悪化させる原因になることがあります。
特に医療や福祉、警備員などの仕事は、睡眠不足や疲れ、ストレスなどがうつ病を悪化させる要因になります。
例えば以下は高齢者介護施設の障害者雇用・正社員求人です。
この求人は、高齢者の介護業務です。この求人の勤務欄は以下の通りです。
勤務時間がシフト制です。昼から夜間にかけて勤務するほか、午後5時から翌朝10時までの夜勤もあります。
医療・福祉や警備員などの仕事は、夜勤や人手不足による長時間労働など、うつ病患者にとって大きなリスクとなります。睡眠不足、疲労、ストレス、トラブルなどがうつ病症状を悪化させ、再発リスクを高め、生活リズムや人間関係にも悪影響を及ぼします。
以下の写真は、介護施設の職員の様子です。
うつ病症状が悪化すると、再発リスクが高まります。再発は、本人だけでなく、家族や周囲の人にも大きな負担となります。
うつ病患者にとって、規則正しい生活と良好な人間関係は、非常に重要です。夜勤や長時間労働を避け、規則正しい勤務ができる仕事を選ぶようにしましょう。
求人探しから応募まで:うつでも安心の転職エージェント活用術
うつ病を経験した方にとって、転職は不安と勇気が必要です。しかし、「うつに優しい職場環境」で正社員として働くことは決して夢ではありません。転職を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
自分に合った求人を見つける
ハローワークにも障害者向けの求人情報は掲載されていますが、情報量が少ない、最新情報が更新されていないなどの問題があります。
そこでオススメなのが、障害者雇用専門の転職エージェントです。
転職エージェントには、豊富な求人情報データベースがあり、あなたの希望条件に合致する求人を見つけ出すことができます。職種、勤務地、勤務時間、年収、企業規模、福利厚生など、様々な条件で絞り込むことができます。
うつ病の経験や現在の体調も考慮した上で、無理なく働ける職場環境を見つけることが重要です。
転職エージェントを活用する
転職エージェントの担当者は、障害者雇用の制度や企業のニーズに精通しています。履歴書や職務経歴書の作成では、あなたの強みや経験を効果的にアピールできるよう、的確なアドバイスを受けられます。
面接対策についても、模擬面接などを通して実践的な指導を受けることができる場合があります。面接では、うつ病の経験をどのように伝えるべきか不安を感じる方も多いでしょう。
転職エージェントの担当者は、あなたの状況を企業に適切に説明し、理解を得られるようサポートします。給与交渉や入社後のサポートについても、あなたの希望を反映できるよう、企業と交渉することができます。
さらに転職エージェントのサポートは、入社後も続きます。職場環境への適応や人間関係など、仕事に関する悩みがあれば、相談することができます。
また、復職支援やキャリアアップ支援など、長期的な視点でのサポートを受けることも可能です。
自分に合ったエージェントを選ぶ
障害者雇用専門の転職エージェントは、数多くの企業と提携しており、豊富な求人情報を取り扱っています。担当者の経験や実績、サポート体制などを比較して、自分に合ったエージェントを選ぶことが重要です。複数のエージェントに登録して、比較してみるのも良いでしょう。
不安な気持ちや疑問は解消する
うつ病を経験した人にとって、転職は大きなチャレンジです。しかし、障害者雇用専門の転職エージェントを利用することで、希望に合致する職場を見つけ、正社員として再出発することは可能です。不安な気持ちや疑問があれば、遠慮なくエージェントの担当者に相談してみましょう。
転職エージェントは、あなたの転職活動を強力にサポートしてくれる存在です。ぜひ、転職エージェントを活用して、希望の仕事を見つけましょう!
うつ病で障害者手帳を取得し、正社員として再就職するには?
うつ病を経験された方にとって、正社員として再就職することは大きな目標です。このとき、障害者手帳を取得することで、障害者雇用枠での求人に応募できるようになり、正社員として安定した職を得られる可能性が大きく高まります。
以下では、うつ病の方が障害者手帳を取得し、正社員として再就職するための具体的な手順を解説します。
診断を受ける
手帳の申請には初診から6か月間以上の期間が必要です。まず、精神科医による診断を受け、うつ病であることを正式に診断してもらいます。主治医に相談し、精神障害者福祉保健手帳の取得について意向を伝えましょう。
申請書類を準備する
お住まいの市区町村の障害や福祉担当課に「精神障害者保健福祉手帳の申請書」を提出する必要があります。申請書には、診断書書など、必要書類を添付する必要があります。
必要書類は市区町村によって異なる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
審査を受ける
申請書と必要書類を提出後、市区町村による審査が行われます。審査には、医師による診察や生活状況の調査などがあります。審査結果は、数週間から数ヶ月程度で通知されます。
審査の結果、障害者手帳の等級が決定されます。等級は、1級から3級までに分かれており、等級に応じて受けられる支援内容が異なります。1級は最も重度の障害とみなされ、3級は比較的軽度な障害とみなされます。
手帳を取得して再出発しよう
うつ病を経験された方にとって、障害者手帳を取得することは、正社員として再就職するための重要なステップとなります。障害者手帳を取得することで、様々な支援を受けることができ、安心して働ける環境を見つけることが可能になります。不安な気持ちや疑問があれば、遠慮なく主治医や障害福祉課、転職エージェントに相談してみましょう。あなたの転職を全力でサポートしてくれるはずです。
まとめ
うつ病でも、正社員として働けるチャンスがあります。それが、障害者求人です。障害者求人では、正社員として働けるチャンスが広がるという大きなメリットがあります。でも、いくつか注意点もあります。スキルや経験がなくても働ける仕事が多いけれど、年収が低く設定されている場合が多いし、精神障害者福祉保健手帳が必要です。
うつ病でも働きやすい仕事は、心身に負担が少ない仕事です。在宅ワークやデータ入力などがそれにあたります。障害者求人では、これらの仕事が比較的多くあります。障害者雇用は、うつに優しい職場環境が多いです。勤務時間など柔軟な働き方や、ストレスを軽減するためにしなくていい仕事を決めておくなど、配慮が行き届いています。
ただ、うつに向いていない仕事もあります。プレッシャーや対人関係などのストレスが多い営業職や、不規則で長時間労働が常態化している夜勤のある職種がそれにあたります。
求人探しは大変ですが、転職エージェントを利用すれば安心です。あなたに合った求人を見つけてくれたり、不安な気持ちや疑問を解消してくれます。
なお障害者手帳を取得するには、時間がかかります。初めて診断を受けてから6か月以上、手帳取得後に申請してから数週間かかります。転職は大変ですが、サポートを受けながら進めれば大丈夫です。心新たに、再出発の道を歩き始めましょう!
障害者が就職・転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい障害への配慮や労働条件の交渉もすべて自分でやらなければなりません。
一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、障害者特有の事情説明や交渉もあなたの代わりに行ってくれます。
ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「障害に応じた求人情報が多いか、少ないか」「転職エージェントが障害の特性に理解があるか」「転職後のフォローが手厚いか」などの違いがあります。
これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。